自宅に眠るごみを通貨に。人気ゲーム『マインクラフト』のリサイクル作戦

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マイクロソフトが提供するゲーム『マインクラフト』では、ユーザーがゲーム内の世界に眠る鉄や金などの資源を採掘(mine)し、それを使って建物などを作る(craft)ことができる。世界に1億人以上のユーザーがおり(※1)、日本でも小中学生から大人まで幅広い層に人気のゲームだ。

そんなマインクラフトは2022年9月、ユーザーに向けて、スマートフォンやタブレットといった自宅に眠る電子廃棄物を探し出し、リサイクルに出すよう呼びかけるユニークなキャンペーンを実施した。

この取り組みを実施するにあたり、マインクラフトはノルウェーの家電量販店である「エレクショップ(Elkjøp)」と連携。ユーザーは、使用済みの電子機器をElkjøpの店舗に持っていくと、ゲーム内専用の通貨こと「マインコイン」をゲットするための引き換えコードがもらえる。

マインコインを使うと、ゲーム内に手の込んだ「ワールド」を作成したり、キャラクターの見た目を変更するための服などを購入できる。ゲームをしながら自宅の不要なものをリサイクルする、良いきっかけになりそうだ。

マインクラフトは、この呼びかけを通じて、使用済み製品に含まれる有用資源こと「都市鉱山」の認知の重要性を伝えている。具体的には、金、銀、銅、レアメタルなどを指すもので、使えなくなったスマートフォンなど私たちのごく身近にあるものに含まれている。

都市鉱山を回収すると、新たに地球から採掘する天然資源の量を抑制できる。また、採掘に伴う森林伐採や地下水脈の汚染といった、環境への負荷も減らすことができる。

環境省によると、携帯電話1台に含まれる金は約0.05グラム、ノートパソコンだと約0.3グラム。少なく見えるかもしれないが、自然から採れる金鉱石1トンに含まれる金は、約5グラム。それと比べて、携帯電話1トンから回収できる金は約280グラムなので(※2)、都市鉱山への期待は大きい。「日本の都市鉱山の埋蔵量は、世界の天然鉱山を凌ぐ」とも言われるほどだ。

マインクラフトはユーザーを「都市の採掘者」と呼び、机の引き出しの中などに使わない電子機器がないか、探すよう呼びかけている。現実世界とゲームの世界が連動したような、ユニークな仕組みだ。ゲーム内のキャラクターになった気持ちで、探してみてはどうだろうか。

※1 Microsoft Partner Program | Minecraft
※2 環境省_エコジン 2017年10・11月号 VOLUME.61|特集 RECYCLE for 2020
【参照サイト】Elkjøp i unikt Minecraft-samarbeid | Elkjøp Norge
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