バレンタインデーやホワイトデーに、大切な人への贈り物を買ったことがある人は多いだろう。良い関係が続いているときは、そんなプレゼントの贈り合いが楽しい。だが、いざ別れてみると、持っていたいのか持っていたくないのか分からないものが、手元に残ってしまう。
ブラジルでは、毎年6月12日の「恋人の日」に、大切な人に贈り物をする習慣があるという。恋人の日と呼ばれてはいるが、家族や友人を含むニュアンスもあるそうだ。
そんな記念日に合わせるかのように、同国のパラー州にあるショッピングセンター「Parque Shopping Belém」に、「Loja do Ex(昔の恋人の店)」という期間限定店がオープンしている。
Loja do Exは、別れた恋人、妻、夫からもらったプレゼントを寄付できる場所だ。服、靴、アクセサリー、家庭用品、本など、状態の良いものを集め、子どもを支える活動を行っている慈善団体に寄付している。2022年に実施したときは、何と450個以上のものが集まったという。
「楽しい記念日に合わせて、新しいものを売りたい」という目的も持っているであろうショッピングセンターが、あえて人の別れに着目し、ものを引き取って循環させようとする取り組みだ。
自分にとっては、あまり視界に入れたくない悲しいものでも、他の人にとっては、ぜひ使いたいものかもしれない。寄付をすることで、自分の気持ちに区切りをつけやすくなると同時に、「小さなことも、社会のためになるのだな」という、ほのかな喜びを感じられそうだ。
2023年のLoja do Exは、6月3日から6月30日の約1か月間、期間限定でオープンしているという。あなたも、身近な場所にこういう店があれば、ぜひ持って行きたいものがあるのではないだろうか。
【参照サイト】Loja do Ex está de volta ao Parque
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