老眼に効く目薬?グッドニュース5選【2025年9月前半】

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社会をもっとよくする世界のアイデアマガジン、IDEAS FOR GOODの編集部が選ぶ、今月の「ちょっと心が明るくなる世界のグッドニュース」。前回の記事では、耳で世界を旅できるオーディオライブラリーや「相手を許すことが自分のためになる」といったトピックを紹介した。

日々飛び交う悲しいニュースや、不安になる情報、ネガティブな感情ばかりを生む議論に疲れたあなたに。世界では同じくらい良いこともたくさん起こっているという事実に少しのあいだ心を癒し、また明日から動き出そうと思える活力になれば幸いだ。

愛に溢れた世界のグッドニュース5選

01. 今あえて「公衆電話」を復活。エンジニアの優しい想い

スマートフォンが当たり前になった現代。圏外になったり、バッテリーが切れたりしたときに、誰にも連絡が取れず、心細く感じたことがある人もいるのではないだろうか。

パトリック・シュロットさんが住むアメリカ・バーモント州の田舎町では、そんなことが日常茶飯事だ。この町は、電波が悪く携帯電話が非常に通じづらく、住民たちの不満の元となっていた。さらに、ハプニングが起きても連絡手段が使えないことも大きな問題であった。そこで立ち上がったのが、エンジニアであるパトリックさんだったのだ。

パトリックさんはまず古い公衆電話を買い取って、自らの手で修理。それを地元の雑貨店などに設置し、誰でも無料で使えるようにした。運営費を負担しているのは、パトリックさん自身だ。

この公衆電話は、車が故障した際や、携帯電話を持たない学生が親に連絡する際など、設置されてから様々なシーンで活用されているという。

この古風な電話は、地域の人々の生活を支えるライフラインだ。最新のテクノロジーだけが安心をもたらすわけではない、ということを思い出させてくれる事例である。

古い公衆電話

Image via Shutterstock

【参照サイト】Engineer Revives the Pay Phone for Vermont Community to Make Free Calls in Their Cellular Dead Zone|Good News Network

02. 台湾の駅が、生理の貧困に立ち向かう「ケア」の場に

近年世界で課題となっている「生理の貧困」。これは、経済的な理由等で生理用品を購入できない女性や女の子がいる状態を指す。十分な生理用品が確保できない場合、不適切な代替品を利用したり同じナプキンを長時間利用したりすることで健康を害する、心理的な負担を感じて日常生活に支障が出る、といった負の連鎖を引き起こすこともある。

そんななか台湾の台北メトロは、生理用品へのアクセスを改善するため、2025年7月7日から全117駅の案内所で生理用品の無料提供を開始した。これは、2022年から一部の駅で行われていた試験導入を経て、全駅へと拡大された取り組みだ。

台北メトロでは他にも、台北駅をはじめとする34駅に授乳・搾乳室を設置。設置のない駅においても、駅員の休憩室を代替スペースとして利用できると案内している。

普段何気なく利用する公共交通機関に「ケアの仕組み」を組み込み、人を支えるインフラに変えるグッドアイデアだ。

【参照サイト】台湾 / 台北MRT、全駅で生理用品を無料提供 (7/07~)|OTOA [ 一般社団法人 日本海外ツアーオペレーター協会 ]

03. レゴブロックでデザインをカスタマイズ。長く愛したくなるジュエリー

一つのジュエリーを長く愛したい。それでも、たまには違うデザインで気分を変えたい。そんなニーズに答えるのが、ベルリンのジュエリーブランド・Studio GOGOによるカスタマイズできるリングだ。

 

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手作業でつくられたリサイクル・シルバー製のリングは、宝石の代わりにレゴブロックをはめ込む仕様となっており、好きなようにブロックを組み替えたり、複数つなげたりしてデザインを変えることができる。もちろん、レゴをはめずにそのまま着用することも可能だ。

何の制限もなく、自分の思うままにブロックを組み合わせて……子どものころのように自由な発想でカスタマイズするアクセサリーは、「自分らしいお洒落」の無限の可能性を引き出してくれるだろう。

【参照サイト】Studio GOGO’s Lego jewellery is “made to be played with”│dezeen

04. おばあちゃんの知恵、レンタルできます

人生の先輩の知恵と温もりを「レンタル」できるサービスがある。日本の「OKおばあちゃん」は、60歳から最高齢94歳までの女性たちが、長年培った経験を活かして様々な依頼に応えるサービスだ。

おばあちゃんたちは料理の基本を教えたり、ベビーシッターをしたり、子育ての相談に乗ったり、達筆を活かして代筆したりと様々な役割を担う。時には家族の揉め事を仲裁したり、セクシュアリティのカミングアウトをサポートしたりすることもあるという。

おばあちゃんたちの豊かな人生経験から紡ぎ出される言葉や、親しみやすくあたたかな存在感、そこにいてくれるという安心感が、依頼者の心をそっと解きほぐしてくれる。このサービスは、高齢者に新たな収入源と生きがいをもたらし、血縁を越えた「新しいつながりの形」を提示しているのだ。

【参照サイト】シニア部門『OKおばあちゃん』|女性スタッフの便利屋・何でも屋「クライアントパートナーズ」

05. この一滴が、老眼でぼやけた世界をクリアに

年を重ねてから、手元の文字がぼやけて見えるようになった。暗いところでは、ものが見えづらくなった。そんな老眼(老視)による困りごとを、老眼鏡や手術などに頼らず、手軽に解決できる時代が来るかもしれない。アメリカ食品医薬品局(FDA)が、老眼(老視)に効く新しい点眼薬「VIZZ」を承認したのだ。

VIZZは、1日に1回投与するだけで、近見視力のぼやけやかすみを最大10時間にわたり軽減してくれる点眼薬だ。目の瞳孔を穏やかに縮小させることにより、カメラのレンズを絞るような「ピンホール効果」が生じ、近くのものにピントが合いやすくなるのだという。また、この点眼薬は目の焦点を合わせる筋肉に大きな影響を与えないため、使用中に遠くの視野がぼやけることはないとのことだ。

わずか一滴の目薬が、人生をよりクリアに楽しむための大きなきっかけになるかもしれない。そう思うと、わくわくする事例だ。

【参照サイト】FDA approves breakthrough eye drops that fix near vision without glasses
【参照サイト】No more reading glasses? New FDA-approved eye drops can fix your near vision

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