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【まとめ】オランダの注目サーキュラーエコノミー企業10社

オランダの首都アムステルダム
世界で注目されるサーキュラーエコノミー(循環型経済)。

従来の「Take(資源を採掘して)」「Make(作って)」「Waste(捨てる)」というリニア(直線)型経済システムのなかで活用されることなく、廃棄されていた製品や原材料などを新たな「資源」と捉え、ごみを出すことなく資源を循環させる経済の仕組みのことを指す。アクセンチュア社の試算によれば、サーキュラーエコノミーの市場規模は2030年までに4.5兆米ドルに成長すると予測されている。

そんなサーキュラーエコノミーを先導するのが、ヨーロッパのオランダだ。首都アムステルダムでは2050年までに100%循環型都市になるという目標を掲げており、官民が連携してさまざまな事業のサーキュラー化が進められている。今回は、そんなオランダの注目企業を10社ご紹介しよう。

サーキュラーエコノミーに取り組むオランダ企業10社

01. サーキュラー建築スタジオ「bureauSLA」

【欧州CE特集#26】壊すときのことを考えて建てる。オランダのサーキュラー建築スタジオ「bureauSLA」

bureauSLA(ビューロ・スラー)は、建築家と建築史学者、都市設計家、エネルギー専門家からなる、サーキュラーエコノミーを推進する建築スタジオ。資源やエネルギー、廃棄物の潜在価値を最大限に高める建築プロジェクトを手掛ける。「壊すときのことを考えて建て、サーキュラーでないものを使い続けるために愛着を持つ」という「建築とサーキュラー思考」を提唱する企業だ。

02. PaaSモデルのごみ箱をデザインする「LUNE」

【欧州CE特集#36】集めるのは、ゴミではなく資源。循環型のゴミ箱をデザインするオランダ「LUNE」

10項目のサーキュラリティ(循環性)を掲げ、サーキュラーデザインのごみ箱をプロデュースするLUNE(ルーン)。すべての作業を一つの工場の中で行い、サステナブルな方法で製造し、廃棄物だけではなく、それを入れるごみ箱すらも循環させる。ごみ箱を「所有せずに利用する」PaaS(Product as a Service)モデルを導入し、グローバルな規模で、ローカルな事業を展開中。

03. メガバンクが建てたサーキュラー複合施設「CIRCL」

【欧州CE特集#1】オランダのメガバンクABN AMROが建てたサーキュラーエコノミー複合施設「CIRCL」

オランダの大手銀行ABN AMRO(エービーエヌ・アムロ)が建てた複合施設、CIRCL(サークル)。サーキュラーエコノミーの高い目標を掲げながら、みんなが気持ちいい空間をつくる。多くのリサイクル素材を使用し、解体後の再利用も念頭に置くサーキュラーデザインを採用。廃材アートも展示し、太陽光発電や雨水タンクも活用する。フードロスを減らすレストランも設置。

04. スマホを回収・再生する「Closing the Loop」

【欧州CE特集#6】まっさらなアフリカだからこそ循環型社会へ。携帯電話回収スタートアップ「Closing the Loop」


Closing the Loop(クロージング・ザ・ループ)は、アフリカで廃棄された携帯電話を回収し、メタルを抽出するヨーロッパの製錬所に販売、マテリアル・ニュートラルな携帯として新しく生まれ変わらせるスタートアップ。不適切な焼却や埋立処分による資源の無駄、環境汚染、健康被害を減らす。

05. 街づくり体験と家具をデザインする「Plastic Whale」

【欧州CE特集#31】運河でペットボトルを釣り、サーキュラー家具をつくるアムステルダムの「Plastic Whale」

街にすでに流出してしまったごみを回収するため、運河でペットボトルを釣りするボートツアーを企画するアムステルダム発のスタートアップ。釣ったプラスチックは、サーキュラー家具をつくるのに使用する。ツアーによって人々の意識改革や行動変容を促し、街づくりの一員となってもらうというユニークな体験を提供している。

06. テクノロジーで廃棄物マッチングをする「Excess Materials Exchange」

【欧州CE特集#24】ブロックチェーンとAIで廃棄物をマッチングするアムステルダムのスタートアップ「Excess Materials Exchange」

業界横断型プラットフォームで廃棄物を出す企業と、それを資源として活用したい企業をマッチングするアムステルダムのスタートアップ。AIが素材マッチングを加速し、ブロックチェーン技術で透明性とプライバシーを確保。自ら積極的にユニークなコラボを生み出す。

07. 製品のサーキュラリティを可視化する「Circular IQ」

【欧州CE特集#22】製品のサーキュラリティを可視化するアムステルダムのスタートアップ「Circular IQ」

市場に出回っている製品のサーキュラリティを、単なる概念ではなく、測定可能なデータとして可視化するベンチャー企業。製品一つひとつに「Product Passport(製品パスポート)」というアイデンティティを付与し、サーキュラリティを可視化することで政府や企業のサーキュラー調達やサーキュラーエコノミーへの移行の具体的なアクションを支援する。

08. サーキュラーエコノミー推進団体「Circle Economy」

【欧州CE特集#15】ドーナツ経済学でつくるサーキュラーシティ。アムステルダム「Circle Economy」前編

2050年までに100%サーキュラーエコノミーを実現するという目標を掲げるアムステルダム市と密接に連携し戦略を支えるサーキュラーエコノミー推進団体。自然環境を破壊することなく社会的正義(貧困や格差などがない社会)を実現し、全員が豊かに繁栄していくための方法論である「ドーナツ経済学」でサーキュラーシティをつくる。

09. 廃棄スマホからジュエリーをつくる「Nowa」
Nowa創業者

Image via Circular Economy Hub

金、銀、その他たくさんのレアメタルや希少な資源が埋もれる都市鉱山を眠らせないために、廃棄されたスマホからジュエリーをつくり、メッセージを届ける。このようにして、増加する一方の廃スマホがアフリカの電子廃棄物の墓場に辿り着くのを回避。また、レアメタルを新たに採掘することで、生じる鉱山での児童労働や資源を巡る紛争を未然に防ぐ。

転載元:廃スマホからジュエリーをつくるNowaが伝えたかったこと

10. 起業家が集まる、ロッテルダムのインキュベーションセンター「BlueCity」
ロッテルダムのBlue City

Image via Circular Economy Hub

オランダ第二の都市ロッテルダムのかつての温水プールに、30社・約100名の起業家やスモールビジネスが集まるインキュベーションセンター。起業家・リソース・知識・ネットワークが集積する象徴的なサーキュラーエコノミーのエコシステムで、新しいインスピレーションやアイデアを得るために世界から多くの人が視察に訪れる。

転載元:CEのインキュベーションセンター 「BlueCity」に学ぶサーキュラーエコノミーの始め方

まとめ

スマホなどの電子廃棄物の削減に取り組んでいる複数のベンチャー企業もあるが、近年は、生産側が掌握していた力を消費者側に移譲し、より自由に修理できるようにすることで、無駄を減らす「修理する権利(Right to repair)」の概念が浸透してきている。

国土も人口規模も決して大きくないオランダが、世界のサーキュラーエコノミーの先陣を切って行く理由の一つに、オランダが別名「低地」を意味する「ネーデルラント」とも呼ばれることがある。オランダ全体の3割は、海面より低いところにあり、国土の2割が干拓によって造り出された土地だ。

たびたび洪水に見舞われ、ひっきりなしに排水しなければ、いとも簡単に浸水する。そのような事情から、人々は生活の基盤となる土地を守るために、皆が協力して地域ぐるみで社会を守ってきた。そのためオランダでは、地域は運命共同体であるという思想が自然と醸成されたのだ。

以下の「欧州サーキュラーエコノミー特集」では、オランダ以外にもイギリスやドイツ、フランス、ノルウェーなどのサーキュラー事業を取り上げているので、ぜひチェックしてみてほしい。

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