報復は寄付で。ツイートで簡単に寄付ができるアプリ「Trigger」

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米国では2016年の米国選挙がアメリカの政治情勢を大きく変えて以来、反発的なツイートの傾向が顕著になっているという。先日Amazonダッシュボタンを改造して寄付するという「ACLUダッシュボタン」について取り上げたが、同様のアメリカで急増する「怒りの寄付」の手法として、開発されたアプリがある。

モバイルアプリ「Trigger」は、所定の形式に従ってツイートするだけで寄付できるというとても便利なアプリだ。使い方は簡単で、最初にTriggerでクレジットカード情報を登録しておけば、あとは思わず怒りや悲しみがこみ上げるツイートを見つけたら、その気持ちを鎮めてくれそうなチャリティの名前、寄付したい金額、そして#TriggerGiveというハッシュタグをつけてリプライするだけでよい。

(※画像:Triggergiveより引用)

このツイートだけで簡単に寄付できる仕組みがあれば、これまでは怒りを覚える言動に対してただ不満のツイートをつぶやくだけだった人々に対して、寄付という具体的な行動を促すことができ、慈善活動等を行う団体はさらに多くの資金を集めることができる。

アプリの名前になっている「Trigger」は、英語で「引き金」という意味がある。開発したAlftonはTriggerについて、寄付が誘発される理由は必ずしも否定的なものである必要はなく、肯定的なものもありうるとしている。ただ、開発のきっかけにもなっているように、現在のところ主に怒りのパワーを撃ち放つためのツールとなっている。

自分の信条と異なる言動に対して、ただ単にツイートで反撃するのではなく、実際に相手の行動を抑制する団体に寄付することで反撃するTriggerは、まさに「報復の寄付」アプリだ。

ソーシャルメディアをうまく活用し、物議を醸すようなコメントを意図的に数多く発して当選したトランプ大統領からしてみれば、自分の発言や行動が反感を買えば買うほど、自身の政策に反対する団体らに寄付が集まるというジレンマに陥るわけなので、相手側にダメージを与えることができる。ビジネスマンから成り上がったトランプだけに、金勘定には敏感で、ソーシャルメディア戦略や政策への影響も十分に考えられる。

この一連の話の通り、ソーシャルメディアの社会的な影響力は大きくなる一方だ。米国の主だったマスメディアのほぼ全てがクリントン候補を支持し、明確な「反トランプ」の論調だったにも関わらず、ソーシャルメディアの申し子、トランプが大統領選に勝利した。

アラブ世界に展開した国際的な騒乱「アラブの春」を引き起こすのに大きな役割を果たしたのも、民主主義の番人といえるマスメディアではなく、ソーシャルメディアだった。日本もそうだが、マスメディアの運営には通常、国の許可が必要で、言論の自由が保証されているとはいうものの、目に見えない圧力がないとは言い切れない。

ソーシャルメディアの成熟度は、まだまだで意図的に事実とは異なるニュースを発信し、情報を操作するという行為にも使われ課題も多いが、勢いは増すばかりだ。Triggerは、新しいメディアの仕組みをうまく利用して、健全な民主主義の維持にも一役買う、非常に有意義なアプリと言える。

【参照サイト】Triggergive