インドのスタートアップ会社 ThinkPhiが日陰とエネルギーと飲み水を生み出す、サステナブルな日傘を開発した。この日傘の有効利用に必要なのは太陽と雨である。どちらも私たちが自然界から無償で受けられる、再生可能でクリーンな資源だ。
現在、エネルギー源や飲料水のペットボトルについては様々な議論が行われている。最も理想的なエネルギー源は再生可能でクリーンなものであるし、飲料水のペットボトル利用を減らして地球のゴミを少なくすることは私たちの課題だ。この2つの課題解決に貢献するのが、ThinkPhiが開発した大きな日傘である。
この美しい大きな日傘はソーラーパネルを備え、太陽光からクリーンエネルギーを作り出す。日傘の下は快適な日陰になり、雨が降れば雨水を集めてフィルターにかけて飲み水として利用できる。
ThinkPhiが開発した日傘は、小サイズのmodel 1080と大サイズのmodel 1080XLの2タイプだ。小サイズのmodel 1080は4m四方で、傘の下にLEDランプを内蔵しており、ランプ点灯に十分な電気を発電する。発電した電気は内蔵バッテリーに貯めることができ、補助的装置や電気自動車にも使用できる。大サイズのmodel 1080XLは20m四方の大きさで、最大電力量は40–kW。1年間で120万リットルの雨水を集めてフィルターで濾過できる。
雨水は特許取得済みのフィルターシステムで濾過すると、WHO基準の飲料水になる。また、大量の水をタンクに溜めておく場合は、UVフィルタープロセスを使用すると飲料水として飲むことができる。
最新の設備と機能を備えているのも特徴だ。リアルタイムのセンサーが気象情報を収集してシステムメンテナンスに警報を送ったり、スマートフォンで水量とエネルギーの計測データを観察して遠隔操作ができる。
日傘の設置場所は様々で、日傘の大きさに合わせてカーポートやバス停、鉄道駅ホームの屋根、庭のパラソルなど、私的空間および公的空間でニーズに合わせて使用できる。価格は1,500米ドルからで、両サイズとも補償期間は15年である。
ThinkPhiの日傘は、これからの地球に優しい街づくりのヒントになるかもしれない。日本では街のあちこちに無料の水飲み場があるが、これは世界でも珍しく、ロンドンでは今後、飲料水のペットボトル削減に向けて街中に泉を設置していくという。今回ThinkPhiが開発した日傘が多く設置されていけば、世界中の街々で公共の水飲み場が誕生していくだろう。私たちが自然界から無償で受けられる、再生可能でクリーンな資源である太陽と雨水を有効利用するThinkPhiの日傘。これからの展開が楽しみだ。