アウトドアのファッションやアイテムのブランドとして世界的に有名なパタゴニア。実は製品だけではなく、そのきわめて先進的な環境活動でも世界で高い評価を得ているのはご存知だろうか。同社はこれまで環境保全に関する草の根活動に90億円以上を寄付している。
そんな最もエコフレンドリーな企業の1つとして業界を牽引するパタゴニアが、一般向けに環境活動を促進するアクションとして、新たなプラットフォーム「Patagonia Action Works」を公開した。
Patagonia Action Worksは、世界各地で活動するさまざまな環境保全団体と、各地に住む地域住民とを繋ぐプラットフォームだ。公開されたばかりでまだ情報は少ないが、ユーザーが自分の住んでいる地域を入力すると、そこで活動する団体の情報や開催イベントを見つけられるようになるという。
同プラットフォーム上で紹介される環境問題は「生物多様性」や「気候変動」などさまざまなサブトピックに分類されており、そういった問題に関心を持つユーザーが、すぐに何らかのアクションを始められる仕組みになっている。
さらに各団体でスペシャリストの募集も行われており、デザイナーやエンジニアなど特定のスキルを持った人たちが団体の抱える問題に対してボランティアとして働きかける機会にもなっている。素晴らしい活動をしていても、地理的に遠ければ関わりが薄くなってしまうため、こうしたオンライン上のプラットフォームで自分の地域に根差した団体を見つけられることが大切なのだ。
このプラットフォームを利用することができるのは、パタゴニアから助成金を得た団体に限られている。信頼できるNPOだけが、彼らの仕事や活動について地域住民と情報をシェア出来る仕組みになっており、またそういった団体同士が繋がるための場としても機能するようだ。
パタゴニアは「1% for the Planet」というミッションを掲げ、全売上の1%を環境の保全ならびに回復活動に寄付している。その対象は土壌や水質、気候変動、地域コミュニティ、生物多様性など多岐にわたり、それだけ環境問題が複合的な課題であることも見えてくる。
アウトドアブランドである同社がなぜこれほどまでに環境問題に熱心に取り組むのか。答えは実に単純だ。自然環境が美しく雄大であるからこそ同社の価値は最大化される。山上の澄み切った空気が、透き通るきれいな海と白い砂浜が、同社の製品が求められる隠れた前提なのである。
【参照サイト】Patagonia
【参照サイト】Patagonia Action Works
(画像:Patagonia Action Worksより引用)