パタゴニア、全国11大学で服の修理を無料で行う「Worn Wear College Tour」を開始

Browse By

アウトドア用品を展開するパタゴニアが、ミシンを積んだオリジナルトラックで全国11大学を回り、服の修理を無料で行うイベント「Worn Wear College Tour」を5月31日、聖心女子大学でスタートさせた。「壊れたら、修理しよう!」というキャッチコピーのもと、大切な一着をより長く着続けることを提案する。大学や学生を巻き込み、共に作り上げていくイベントだ。

Worn Wear College Tour

「Worn Wear College Tour」は、パタゴニアが大学・学生と共に作り上げるイベントになっている。

パタゴニアはこれまで、オーガニックコットン(無農薬で化学肥料や枯葉剤を使わないコットン)への切り替えやフェアトレードの取り組みなどを通じ、事業が地球環境に与える悪影響を最小限にする取り組みを続けてきた。しかし、気候変動問題がより深刻になるなか、世界全体の約1割もの温室効果ガスを排出しているアパレル産業のあり方を根本から変えるためには、もはや1社の動きだけではどうにもならない。そこで、できるだけ多くの人々を巻き込んで、思い出のある服を長く着ることを楽しく提案しようとするのが今回のイベントの趣旨である。

各大学では主に3つのイベントが開催される。服の修理、大学生による環境テーマの企画、そしてパタゴニア社の社員による講演である。食の分野で環境への解決策を探る「パタゴニア プロビジョンズ」の試食会も同時開催される。

服の修理は、まず受付でリペアスタッフによる修理が必要なものと、学生自身でも修理できるものとに仕分けられる。リペアスタッフによる修理は、「Worn Wear Car」という印象的なトラックで行われる。ミシン2台とたくさんの修理用品が備えられており、パタゴニア以外の製品も無料で修理してもらえる(先着順。一人一着まで。バッグ・靴は対象外)。ファスナーのタグの付け替えやボタンの取り付けなどの、学生自身でも修理できるものについては、スタッフにアドバイスをもらいながらその場で修理方法を学ぶことができる。修理に使用する部品も多様に揃えている。

スタッフによる修理

トラック「Worn Wear Car」の中で、リペアスタッフが修理をしてくれる。

セルフリペアの部品

修理に使用する部品が多様に揃えられている。

大学生による環境テーマの企画は、学生が主体となって行われる。聖心女子大学では、不要となった洋服を次の持ち主と対話しながら引き渡す「洋服譲渡会」、ファッション業界の課題をビジュアルでわかりやすく表現し、写真を撮ってSNSに投稿してもらうことを狙った「SDGs×ファッション」の企画が行われた。さらに、アパレル企業7社に対し環境問題への取り組みを問うインタビューも実施中で、インタビュー結果は、「Worn Wear College Tour」の2回目の訪問となる7月1日に発表される予定となっている。

学生企画

ファッション業界の課題をビジュアルでわかりやすく表現し、写真を撮ってSNSに投稿してもらうことを狙っている。

パタゴニアが服の修理を行うプロジェクト「Worn Wear」は、2013年にアメリカで始まり、日本では2019年1月にスキーリゾート7か所で初めて行われた。パタゴニアの狙いは、一着の服を長く着続けてもらうことで、消費を抑え、事業が地球環境に与える影響を削減することだ。アパレル製品を販売するパタゴニアが、「服を長く着続けること」「新しい服をできるだけ買わないこと」を主張するのは意外でもあるが、パタゴニアはそれほどまでに現在の大量消費社会に対して危機感を抱いている。

今回の「Worn Wear College Tour」は大学が舞台となる。そのため、大学や学生とも一緒に作り上げていくワークショップになっているのが大きな特徴だ。聖心女子大学 現代教養学部教育学科教授の永田佳之先生は、「気候変動問題は非常に厳しく、大学の授業で教えれば教えるほど学生は希望を持てなくなってしまうが、こうしたプロジェクトを通して学生が大人と関わり、希望を持てることがとても重要だ」としている。

Worn Wear College Tourは5月31日~7月12日の日程で、聖心女子大学、長崎大学、広島修道大学、徳島大学、京都大学、近畿大学、名城大学、慶應義塾大学(湘南藤沢キャンパス)、千葉商科大学、尚絅学院大学、北海道大学で実施される(長崎大学、広島修道大学についてはすでに終了)。服の修理等のプログラムについては同大学の学生が対象となるが、修理を行うトラック「Worn Wear Car」がかわいらしく、活気のあるイベントだ。近くの大学で行われる際には様子をのぞいてみてはいかがだろうか。

【参照サイト】Worn Wear College Tour
【関連記事】パタゴニア、スキーウェアの修繕が学べるワークショップを開催。エシカル消費の大切さ伝える
【関連記事】アウトドア用品ブランドのパタゴニアが、ビールをつくり始めた理由
【関連ページ】フェアトレード

FacebookTwitter