年俸の1%を寄付。サッカーを通じて社会をよくする「Common Goal」

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世の中には生まれつき恵まれた境遇にある者とそうでない者がおり、過酷な状況下にある人々が自力でそれを乗り越えるのは決して簡単ではない。そのような両極端の状況を経験しているのが、多くのサッカー選手だ。

今や世界中で名を知られるサッカー選手のなかにも、幼少期には貧困にあえぎながら裸一貫でボールという希望を追いかけ、数多くの苦難を乗り越えてスターダムにのし上がった選手が数多くいる。

ワールドカップ優勝歴のあるスペインの代表選手であり、英国マンチェスター・ユナイテッドに所属しているJuan Mata(フアン・マタ)は、プロサッカー選手らが年俸の1%以上を寄付することで世界中の地域の社会貢献活動を支援するプロジェクト、Common Goalを主宰している。

寄付を誓約している参加メンバーには、ワールドカップ・ドイツ大会の勝者Mats Hummels、イタリア代表のGiorgio Chiellini、日本代表の香川真司など34人のサッカー選手が名を連ねており、欧州サッカー連盟(UEFA)のAleksander Ceferin会長も、Common Goalに給与の一部を寄付することを約束している。

Image via Common Goal

Mataらの1%は、サッカーを通じて教育の価値を促進するインドのOSCAR Foundation、コロンビアのジェンダー平等プロジェクトなどに役立てられている。MataはAFP通信の取材に対し、「Jurgen(streetfootballworldの創設者)と、誰かがしなければならないのであれば、僕たちで始めようという話になった。世界最大のサッカークラブにしたい。自分一人の力は限られているが、サッカーではチームの絆とスピリットが重要。Common Goalではなおさらのことだ。」と語った。

インド・ムンバイを訪問した際のことを回顧し、Mataは「極端な貧富の差は見るに堪えないことだった。スラム街にある学校を訪問することも貴重な経験だった。」と続けた。

お金持ちであるサッカー選手が社会貢献をするという趣旨のプロジェクトだが、実はそれがサッカー選手にも大きなプラスになっていることをMataは指摘する。

Mata「二十歳そこそこで、マンチェスター・ユナイテッドのようなビッグクラブでプレーし、有名になり、大金を稼ぐようになることを想像してみてください。地に足をつけるのが難しくなる。原点を忘れないようにすることだ。」

ハングリー精神を持って、苦しい訓練を乗り越えた者だけが、アスリートとしての成功を手にすることができる。しかし一度、富と名声を手にして、自分を見失い没落していく選手がいるのも事実だ。

サッカーが社会貢献のツールとして役立っていると同時に、社会貢献がサッカー選手を律するツールとして、互いを支え合っているのだ。Mataはピッチ上で見せるインテリジェンスに勝るとも劣らない、優れたエコシステムを構築しているといえる。

【参照サイト】Mata’s ‘Common Goal’ to use football for good
【参照サイト】Common Goal
(※画像提供: ShutterStock