出社したらまず、パソコンのスイッチをオン。仕事中はひたすらパソコンに向かい、メールや資料作成に追われる。気づいたら肩や首はガチガチになり、目も疲れている…… そんな人は多いのではないだろうか。専門家によれば、2時間以上座ったままの作業は、健康にさまざまな悪影響を与えかねないという。
そうはいっても、情報社会を生きる私たちにとって、パソコンやスマートフォンなどのデジタル機器の利用は、いまや仕事にも必要不可欠だ。一人ひとりがもっと健康に、そして高いパフォーマンスを発揮しながら働ける方法はないだろうか。
そんな社会の課題に対し、ユニークな解決方法を提案した企業が、スペインのERGON DESK社だ。デジタル機器を利用した「デスクワーク」には必要不可欠となる「机」に目をつけた同社は、イノベーティブなデザインの作業用デスクを開発した。
彼らの提供するグループ用の円形デスクは、6人分の個人デスクが一つになっている。丸いピザを6等分した1ピース分が、1人分のスペースだと考えてもらえるとわかりやすい。
この机の魅力的なポイントは、まず円という形をとることで、チームのメンバー同士が向かい合い、お互いの距離がぐっと近くなることだ。ちょっと上司に何かを確認したいというときや、各プロジェクトの進捗状況の共有をするときなど、席を立たずとも、チームメンバーとのアイコンタクトや会話が可能になる。
仕事に必要な必要書類などは、デスク中心部にあるトレイに収納する。スペースの節約にもなるし、わざわざ書類を探しに歩き回る必要もなくなるのだ。
このように無駄な移動をカットすることで、生産性やチームワークの向上が図られているだけではない。このデスクは、人々の健康促進のための面白い工夫もされているのだ。
スマートフォン用専用アプリをダウンロードすれば、それぞれの利用者に最適なデスクの高さをカスタマイズできるようになっている。アプリが利用者の姿勢の癖や作業時間などを計算し、「こういう風に姿勢を変えましょう」とか、「座っている時間が長いですから、しばらく立って作業をしましょう」などのプッシュ通知を送ってくれる機能だ。姿勢の変化に合わせて、机の高さは自動的に変更される。
他にも、アプリとグーグルカレンダーを同期させることで、1日の仕事のスケジュール調整を行えたり、他のチームメンバーの進捗状況が随時確認できたりするなど、便利な機能が盛りだくさんだ。6人以下の少人数または個人で仕事をする機会が多いという人向けには1人用デスクも販売されている。
仕事の生産性やチームワークの向上のためには、従業員一人ひとりの健康状態の向上が鍵になる。その点に目をつけたERGON DESK社の製品は、まさにソーシャルグッドであるといえるだろう。私たちも、眠気覚ましのコーヒーや、硬く凝った肩をほぐす整体院に頼る前に、日々の働き方を少しずつ変えていく必要があるかもしれない。
【参照サイト】ERGON DESK
(※画像:ERGON DESKより引用)