社員同士が感謝の気持ちと報酬を送りあう「ピアボーナス」。日本発のUniposがつくる、新しい評価の形

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どんな企業にも、人の存在は欠かせない。社長や部長、主任などの役割を持った人々の集団が成果を出していくためには、お互いがうまくコミュニケーションを取りあっていく必要がある。従業員のモチベーションを高めるために、基本給とは別に成果報酬を設ける企業も多くある。

働き手の諸待遇を決めるために、会社は査定を行うのだが、査定する側が常に全員の行動や成果を見ているわけではない。いくら地道な努力をしても適正な評価をされないと感じたら、労働意欲を削がれパフォーマンスが低下してしまうだろう。それが続くと、「もっと評価される場所に移りたい」と退職につながることもありえる。これは、会社にとっても大きな損失だ。

そこで、新たな査定・報酬のシステム「ピアボーナス」が考案された。先駆けとなったのは、東京のFringe81社が提供する「Unipos(ユニポス)」というサービスだ。ピアボーナスとは、文字通りピア(仲間・同僚)同士で日ごろの行動を評価し、チャットツールを使ったメッセージと共に少額の成果給を送りあえるシステムである。

Uniposのピアボーナス

Image via Unipos

「このアドバイス、とてもタメになったよ」「プレゼン資料を見やすくつくってくれてありがとう」「社内をキレイに保ってくれて助かってるよ」など、画一化された査定や、給与体系で見落とされがちな日々の努力を、身近な同僚同士でことあるごとに労い、お互いの信頼関係をより強いものにする。

また、ピアボーナスの評価の内容が社内で可視化されるため、会社がどうあるべきかといった企業文化や、倫理規範が自然と醸成される。

同僚 ピアボーナス

Image via Shutterstock.com

Uniposを通して、企業は組織内におけるさまざまな課題の解決をはかっている。たとえば、会社のバリューや指針をもっと社内に浸透させたい、評価制度を改革して社員の心理的安全を生みたい、フィードバックのやり方を見直したい、社員のエンゲージメントを強化したい、部署内の連携を強化したい、などだ。

ピアボーナスは、査定する側とされる側がはっきりと存在していた従来の上下関係の構造から、査定権限の一部を広く従業員に分散する構造にうつるカギともなりえる。上司が部下を呼びだし、険しい顔で説教をしなくても、同僚同士が行動に応じたボーナスを支給し合うことで、モチベーションが上がり社内が活性化する。それが、労使紛争等を未然に防ぐことにも、事業の成果を上げることにもつながるのだ。

「事業は人なり」パナソニックを一代で築き上げた経営者、松下幸之助氏はこう言った。ピアボーナスは、人々がお互いを支え、高め合いながら、共に努力し事業を進めていくことを促すグッドな仕組みではないだろうか。

【参照サイト】Unipos