もうすぐやってくるゴールデンウイーク。気候がよくなり、水辺で休暇を過ごす人も多いだろう。しかし、海や川には危険もつきものだ。急に大きな波がやってきたり、水かさが増えたりするなど、特に小さな子供を持つ親は一時も目を離せない。
世界保健機関によると、世界では毎年36万人が溺れて尊い命を落としているという。1時間に42人が亡くなっているのだ。この”突然やってくる”水の危険に対して、スペインに本拠を置くOneUp社が、水に触れると2秒で膨らむ、世界で1番小さい救命浮き輪を開発した。
2015年に設立されたOneUp社は、世界で溺れる人を減らすことを目標に、NPO団体と共同で、水辺における安全の重要性についての認識を広める教育活動を行っている。
この救命浮き輪の名前は、社名と同じ”OneUp”。緊急時の迅速な対応と持ち運びやすさを、何よりも重要視した。
救命浮き輪と聞くと、船やボートに備え付けられている大きくて重いものを想像するが、OneUpの重量はその20分の1のわずか360g。開く前の大きさは17cmで、ジュース缶と同じだ。また、金属リングのカラビナが付いており、カバンやベルト、ズボンに装着できる。
使い方は簡単だ。誰かが溺れているのを見つけたら、溺れている人にOneUpをそのまま投げるのである。OneUpは水に触れると2秒で膨らみ、救命浮き輪になる。OneUp自体は小さく軽量だが、体重150kgの人まで使用可能だという。使用後1分経てば、再び使用できる。
OneUpが膨らむ仕組みは、内蔵されている塩袋と二酸化炭素の膨張センサーにある。水に触れると、塩袋が溶けて二酸化炭素を放出するバネを緩め、浮輪が膨らむのだ。保証期間は2年間で、MSDS(化学物質等安全データシート)やCEも認証済みだ。
このOneUpがあれば、近くに救命士がいないような水辺でも安心して水と触れ合うことができる。プール、釣り、キャンプ、ラフティング、ボートなど、多くの場面で安全にレジャーを楽しむためのプロダクトなのだ。
さらに、OneUp社は国家の救命コストにも注目している。現在アメリカは、水辺での事故および事故防止に関して毎年2,7億米ドルという莫大な金額を支出しているという。OneUp社は、この 世界で1番小さい救命浮輪によって、国家の救命コストを削減できる可能性があると考えた。
現在OneUpは、クラウドファンディングのIndiegogoにおいて1個49米ドルで注文を受け付けている。自分の命は、自分で守る。OneUpは、その可能性を広げる大きな一歩だ。
【参照サイト】Indiegogo – OneUp – Portable and Ultra Compact Life Preserver
【参照サイト】OneUp
(※画像・情報提供:OneUp)