ガーナの首都アクラに本拠を置く産業加工会社NELPLASTが、プラスチックゴミを使った道路舗装ブロック、および建材の生産を開始した。
今日、世界におけるプラスチックの廃棄問題は深刻度を増しており、ガーナも例外ではない。FoN Gahnaのレポートによると、人口230万人のアクラの街で発生する1年間の固形ゴミ2,000トンのうち、プラスチックが占める割合は60%にのぼるというが、そのうちリサイクルされるのはごくわずかだ。
こうした状況を受け、現在ガーナ政府は、これまで手を付けていなかったプラスチックゴミの処理についての方針を検討中だ。プラスチックに代表される生分解できない製品の処理について、国としての指針を示していくという。ガーナ政府は研究者や民間企業と協力して、プラスチックゴミに価値を与えることを目指している。
その挑戦の一端を担うのが、クリーンな社会を理念とするNELPLAST社だ。同社のミッションは、プラスチック包装とリサイクル業界を率いていくこと。具体的には、ガーナで出るプラスチックゴミの70%を、使用可能なものにリサイクルすることを目標としている。
NELPLAST社は、PVCパイプ(ポリ塩化ビニルパイプ)以外のすべてのプラスチックゴミを川砂と混ぜて、強度の高い舗装ブロックを生産する。舗装ブロックの使用材料は70%がプラスチック、30%が砂で、セメントは一切使わない。強度は通常の舗装ブロックの8倍にもなるというから驚きだ。
この取り組みの課題は、ブロック生産の品質向上と規模の拡大をするためには、熱したプラスチック混合物を圧縮し、鋳造するための油圧プレスがさらに必要なことだ。そこでガーナ政府はNELPLAST社をサポートし、この画期的な発明をアクラ以外の地域にも拡大していくことを表明している。
NELPLAST社のような、モノの持続可能性を高める企業の試みは、ガーナで新たな雇用を生み出すことにもつながる。これが国の貴重な収入源の一つとなり、経済循環にも寄与するのだ。
世界中が目指す、環境に優しく持続可能な社会。大きな環境問題の1つであるプラスチックゴミの問題解決を目標に、たくさんの人の知恵と努力、協力が集まり、日々開発が行われている。プラスチックゴミを道路舗装ブロックに変えるという、ガーナのNELPLAST社の今後のプロジェクトに期待したい。