音を聞くことで森林を守る。Googleが開発したAIと中古スマホを活用

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ブラジルに広がる熱帯雨林のアマゾンが、地球にとってどれくらい重要なものかご存知だろうか?世界の4分の1の種が生息しているとされ、CO2の減少にも大きな役割を果たしている。

しかし、地球にとって大変重要なエコシステムが、私たち人間の違法伐採によって破壊されている。1970年以降、いまに至るまでの約半世紀で、アマゾン熱帯雨林の約20%が消えてしまったのだ。

そんな違法伐採によって破壊されるのは、なにも木々だけではない。そこに住む人々の文化や遺産も破壊されているのだ。

ブラジル北部に住む先住民族のテンベー族は、その被害者だ。彼らの住処である熱帯雨林も30%近くが破壊されてきた。

ブラジルに住むテンベー族

Image via Google

そんな、熱帯雨林を違法伐採から守るためにテンベー族とRainforest Connectionのトファー・ホワイト氏が手を組み、新たなプロジェクトを始動させた。

このプロジェクトは、スマートフォンとAIを活用した「ガーディアン」と呼ばれる機器で森林を守る仕組みである。中古のAndroidスマートフォンに、太陽光発電アダプターとマイクが取り付けられたこの機器は、最大で周囲1km範囲内で違法伐採者が出す音をリアルタイムで監視する。

これを、熱帯雨林の各地にとりつけることにより、24時間リアルタイムで音をチェックすることができる。ガーディアンによって拾われた音は、GoogleのTransFlowというAIにより機械学習・分析され、チェーンソーや運搬に使われるトラックの音と聞き分けられる。

音を特定してからは、数分以内にテンベー族の警備隊に通報される。それを受けた警備隊は自身で対応したり、当局に通報することができる。

中古スマートフォンにAI技術が搭載されている

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ガーディアンをなるべく高い位置に設置する

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「組織力と教養を持ち合わせたテンベー族は、新しいツールやテクノロジーを取り入れることに積極的です。テンベー族が必要としているのは、支援ではなく協力なのです。」とホワイト氏は語る。

ガーディアンが導入されてからは、テンベー族は、森林破壊に迅速な対応をすることで熱帯雨林を守るだけでなく、一族を守ることにも成功しているのだ。現在、このガーディアンを使ったシステムは、南米のペルーやエクアドル、ヨーロッパのルーマニアなどの違法森林伐採に取り組む5ヶ国で使われている。

私たちの生活において、木材は欠かせないものだ。しかし、それらの木材は、合法的に伐採されたものなのだろうか?違法な伐採により、環境を破壊しているだけでなく、そこに住む人々の文化や遺産を破壊していると知っていたら、私たちは違法伐採された木材を使い続けるだろうか?

伐採の最大90%が違法と言われる中で、消費者である私たち1人1人が、違法伐採された木材の購入をやめることにより、環境の保護だけでなく、そこに住む人々の文化を守ることができることを覚えておこう。

【参照サイト】音を聞くことで、熱帯雨林を守る
【参照サイト】RAINFOREST CONNECTION