シティ・オブ・ロンドンの英断。ロンドン中心部の電力を100%再生可能エネルギーに

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華やかな東京ライフを謳歌していた学生時代。年に2回の故郷への帰省で、毎回驚いたことがある。「…… 地元、こんなに暗かったっけ。」数百メートル先は真っ暗で何も見えず、生まれ育った街に違和感を覚えたと同時に、東京という大都市の夜が、いかに光に満ちているかを思い知らされた。

光の源となる電気を大量消費しているのは何も東京だけでなく、世界中の大都市全般に言えることだ。そんな中、ヨーロッパの巨大都市ロンドン、そのまた中心部にあるシティ・オブ・ロンドン地区(スクエアマイル)自治体が、とある大きな決断に踏み切った。なんと今年の10月までに、地区内で使用される電力の供給源を100%再生可能エネルギーに切り替えるというのだ。

ロンドン中心部の電力を100%再生可能エネルギーに

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すでに市場に出回っている再生可能エネルギーの購入や、ロンドン郊外にあるエネルギー施設に投資するだけではない。ロンドン市内で、再生可能エネルギーの供給システムを作り上げようとしているところがポイントだ。今後はシティ・オブ・ロンドン自治体本部にソーラーパネルを設置したり、地区内における風力・太陽光発電設備のための投資を進めたりする予定だ。

二酸化炭素の排出量の低下、エネルギーの持続可能性の増大、エネルギーコストの低下。今回の英断によって恩恵を受けるのは、シティ・オブ・ロンドン地区の住民たちに限らない。

ロンドン市民へよりよい選択肢を

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「私たちがまず、自分たちが使う電力を“クリーンでグリーンな”ものへ変え、国内・国際レベルのエネルギー目標を達成していくこと。そういった行動が、イギリスの他都市や、他の国々へ良い影響を与えると信じています。」

シティ・オブ・ロンドン自治体の政策・資源委員長であるキャサリン・マクギネス氏がこう語るように、さまざまな分野で世界を率いるロンドンが再生可能エネルギー推進都市の模範となることで、世界各国でも同様の動きが高まっていくことに期待だ。

日本の都市で「再生エネルギー100%による電力供給」が実現されるのは、もう少し先のことかもしれない。しかし、いつも付ける電気を早めに消して、代わりにキャンドルの灯で夜を過ごしてみる、など消費者レベルで今日からできることもある。静かな夜の帳に包まれて、普段より少しリラックスしてみるのもいいかもしれない。

【参照サイト】City Corporation goes 100% renewable
(画像提供:Shutterstock.com

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