中国の幼稚園に、歌も読み聞かせもできるロボット先生がやってきた

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「みなさん、おはようございます!私はKeeko、よろしくね!」

中国、福建省の幼稚園Xingguo Kindergartenに新しくやってきた先生は、なんと高さ45cm、重さ4.5kgの人型ロボットだ。白くて丸い、二頭身ほどのロボット先生は、人間の先生と一緒に授業を始める。今日はゴミの分別について学ぶようだ。「この幼稚園のゴミ箱はどうして4色に塗り分けられているのでしょう?」とKeekoが早速子どもたちに質問する。

AIロボットであるKeekoが、幼稚園の先生のアシスタントとして”採用”されているのは、Xingguo Kindergartenだけではない。中国ではすでに672の幼稚園で導入されており、歌、ダンス、読み聞かせ、子どもたちとの会話やゲーム、そして計算まで、さまざまなスキルを発揮している。ロボットが活躍できる場は、もはや工場の中だけではないのだ。

keeko

Image via Keeko

Keekoを開発したのは、Keeko Robot Xiamen Technologyという会社だ。7歳未満の子どもたちと交流できるように設計されており、データを蓄積すればするほど、より賢くより有用なロボットになっていくという。先生たちは授業の準備をするとき、Keekoに情報を事前にアップロードしておけば、それぞれの授業に対応したアシスタントになる。

Keekoは、「おやつの前に手を洗おうね」や「すごく暑いから、水をたくさん飲もうね」などというような生活習慣に関する声かけも頻繁に行う。かわいい声と見た目を持つKeekoは、子どもたちの注目の的だ。先生たちも「仕事の負担が大きく減った」「AIロボットに仕事を奪われると思ったが、心配のしすぎだった」とポジティブなコメントをしている。完全に先生の代わりにはなれないものの、ひとつのツールとしてのAIロボットはニーズがありそうだ。

北京師範大学のZheng Qinhua准教授も、ロボットが教育の現場で活躍することに肯定的な見方を示している。子どもたちの行動を正確に記録、分析できるAIロボットは、良い先生が不足しているという国全体の課題に対する、ひとつのソリューションになると考えている。その一方で、愛情、忍耐、思いやりといった部分に関しては、まだロボットでは代わりになれないと語る。

Image via Keeko

Image via keeko

写真を見ると、子どもたちがKeekoの周りにひっきりなしに集まっている様子がわかる。Keekoが出す問題に、「〇〇かな?」「いや、〇〇だ!」とかわいく言い合っているのだろうか。正解すれば、Keekoは目をハートにして反応してくれる。先生が人間であれロボットであれ、こうして楽しげならば大した問題ではないように思えてくる。

【参照サイト】AI robots newest recruits in China’s kindergartens
(※画像:Keeko公式サイトより引用)

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