2018年12月末、世界初の「プラスチックフリー」なフライトが運航したことをご存知だろうか。
ポルトガルのHi Fly(ハイフライ)航空が、サステナビリティパートナーであるMirpuri財団と共同で、リスボン発ブラジル・ナタル行きAirbus A340などの路線で、機内サービスに使い捨てプラスチックを一切使わないテスト運航を行い、700人以上の乗客がこの歴史的飛行を体験した。
このプラスチックフリー飛行が実現した背景は、いま世界が直面している廃プラスチックの汚染問題だ。2050年には、海の魚よりもプラスチックが多くなると予測されており、現在急成長する旅行業界や航空業界にも対応が求められている。
今回の飛行で対象となった使い捨てプラスチック製品は、カップ、スプーン、塩とコショウのシェーカー、エチケット袋、寝具包装、皿、バターポット、清涼飲料ボトルと歯ブラシなどだ。これらに代わって、竹製のナイフ、フォークやスプーン、そして、紙包装と容器は使用後すぐに堆肥にできるものが提供された。その結果、このテスト飛行で使い捨てプラスチックを350㎏削減できたという。
Mirpuri 財団とHi Fly航空のCEOであるパウロ・ムルプリ氏は、「世界では毎日10万便以上が運航し、2017年は約40億人が民間航空機で旅をした。この数は20年以内に2倍になると予想されている。いま、アクションをとる意味は大きい。クライアントの航空会社や乗客からのフィードバックからも、航空会社がプラスチックフリーを実行することは意義があると確信している。」と語る。
Hi Fly社は、2019年末までに同社の全便を今回のようなプラスチックフリーにすると発表している。また、同社の複数オフィスでは、すでにプラスチックフリーが実践されているようだ。
Mirpuri 財団も、これまでプラスチック削減に努めてきている。当財団は、ボルボ世界オーシャンレース2017-18年の「Turn the Tide on Plastic」ボートの創設パートナーとして、海洋ゴミやプラスチック排除キャンペーンの認知を世界に促した。Hi Fly航空は、この取り組みを支持し、Airbus A330-200の機体にボート塗装と同じデザイン「Turn the Tide on Plastic」を施した。ボルボオーシャンレースは終了したが、Hi Fly航空の飛行機は今も世界中にメッセージを送り続けている。
世界初となる、プラスチックを使わない飛行機の旅。環境汚染の要因の一つであるプラスチック削減に向けた、航空業界の大きな一歩だ。サステナブルな旅を実現する、この取り組みがどんどん広がっていくことを期待したい。
【参照サイト】First single-use plastic free flight in the world
(※画像:Mirpuri Foundationより引用)