シンプルで効果的なリサイクル促進法。スコットランドで飲料ボトルにデポジット導入

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ブリテン島北部に位置する自然豊かなスコットランドでは、毎年6億9400万本ものペットボトルが使用されている。最近の社会問題といえば、道へのポイ捨てだ。スコットランド最大の都市グラスゴーでは、毎日3,500本ものペットボトルがポイ捨てされているという。

そこでスコットランド政府は2019年8月5日、使い捨てボトルで飲み物を買う際にデポジットを支払う制度「デポジット・リターン・スキーム」を発表した。スコットランド国内で廃棄物ゼロプロジェクトを推し進めるZero Waste Scotland社の助言を受け、人々にリサイクルを促す。

この制度は、消費者がペットボトルやガラス瓶、アルミ缶、スチール缶に入った飲み物を購入する際に、20ペンス(約30円)のデポジットを払い、空になったボトルを飲食店やホテル、地域の回収場所などに返却すると、その20ペンスが戻ってくるシンプルな仕組みだ。わずかな額ながら、人々がリサイクルするインセンティブを与え、ポイ捨てを踏み留まらせることができる。

20ペンスのインセンティブで、Zero Waste Scotlandは、現在捨てられているペットボトルのゴミが90%減少すると推定。これは1日に約31,000本、1年間で1,100万本以上削減できることを意味する。

スコットランドのデポジット・リサイクル制度

スコットランド政府は今年中にも、この計画を実行するための法律を施行する見込みだ。政府内閣で環境を担当するロザンナ・カニンガム長官は「スコットランドは、廃棄されたボトルが街や海に行きつかないように、英国で初めてデポジット・リターン・スキームを実施します。スコットランド国民が地球規模の課題に立ち向かい、将来の世代にこの環境を残すために、人々のモチベーションを上げたい」と語る。

スコットランド政府は次の目標を掲げており、今回発表されたデポジット・リターン・スキームもその達成のための取り組みの一つだ。

  • 2025年までに全廃棄物の70%をリサイクル
  • 2025年までに廃棄物を15%削減
  • 2025年までに食品廃棄物を33%削減
  • 2032年までにエネルギー熱需要の50%を再生可能エネルギーにより供給
  • 2032年までにスコットランドの温室効果ガス排出量を66%削減
  • 国家インフラ優先事項としてエネルギー効率を改善

(引用:Zero Waste Scotland

Zero Waste ScotlandのCOO(最高執行責任者)であるジル・ファレール氏は「デポジットの制度は、人々がボトルや缶を捨てない十分なインセンティブとなるでしょう。国全体で一貫したアプローチをとることによって、市民にとっては “正しい行動” がよりしやすくなると信じています」と力説する。

空き瓶や空き缶を買い取る仕組みは、民間の一部の団体では昔から行われてきた。しかし、スコットランド政府が全面的に支援し、すべてのボトルに適用されることで、多大なゴミ削減効果が期待できそうだ。

【参照サイト】Deposit Return Scheme
【参照サイト】Zero Waste Scotland