四国の東端、徳島県。阿波踊りや「お遍路」の起点、鳴門のうずしお、などのイメージを持つ徳島県には、IDEAS FOR GOOD編集部がどうしても訪れずにはいられない魅力がありました。
あなたは、徳島でいま行われている最先端の取り組みについて知っていますか?
今回、編集部が訪れたのは3カ所。藍の生産や江戸時代の街並みで知られる美馬市脇町、IT企業のサテライトオフィスが集まる自然豊かな神山町、そして日本で初めて「ゼロ・ウェイスト宣言」を行った、大小55の集落がからなる上勝町です。
目次
01. 「街を仕事場、遊び場として丸ごと共有する」徳島県美馬市に誘われ
最初の目的地、美馬市には日本でも有数の美しく澄んだ川が流れており、文化遺産である「うだつの街並み」を大切にしながら内観だけをおしゃれに改築した建物が次々とできていました。一方で、過疎化が進んでいるため空き家も多いのですが、それを人々が集まるコミュニティハブに変えるプロジェクトが静かに進んでいます。
街の使われていない資源を、デジタルなプラットフォームを使って、地域住民、移住者、旅行者などが共に「働く」「遊ぶ」「泊まる」場にすることで、地域全体でシェアリングエコノミーを体現しています。
02. 「アートとITサテライトオフィスの拠点」徳島県神山町に立ち寄り
人口5,000人の山間部のまち、神山町も日本の典型的な過疎地域のひとつですが、実は徳島県内だけではなく県外や海外でも名の知れた場所です。
それは、IT企業を中心としたサテライトオフィスの誘致や海外からアーティストを招聘するアーティスト・イン・レジデンスなどの取り組みが成功し、「創造的過疎」の町として注目を集めているから。恵まれたネット環境があり、国際交流による外部からの人材受け入れをしたうえで、サテライトオフィスを設置。これにより、消費パワーのある移住者を惹きつけています。
03. 「ごみゼロを目指す過疎・高齢化地域」徳島県上勝町で新たな学びを得る
最後に降り立ったのは、四国一小さなまち、上勝町。多くのメディアが視察に来る上勝町の特徴はなんといっても、2003年に国内初の「ゼロ・ウェイスト宣言」を発表し、2020年までにごみをゼロにする目標を掲げていること。
この町にはかつてごみ回収車が走った歴史がありません。55の集落に住む人々が各自でごみを分別し、ごみステーションに運んでいます。分別項目はなんと日本最多の45項目に分かれており、その細かい分別によってリサイクル率は約80%を誇っています。さらに今後、人々の交流の場となる新たなごみステーション「ワイ(WHY)」の建設も行われる予定です。
美しい自然を誇り、民泊も盛んな徳島県。地域課題である「過疎化」へのアプローチは、三者三様のようです。
もし徳島県にぼんやりとしたイメージしか持っていないとしたら、これから公開する徳島特集の記事をごらんください。この地には、地方におけるソーシャルグッドな活動のヒントがたくさん眠っています。