これまで、スーパーマーケットで買い物をすると、プラスチックのレジ袋が無料で貰えるのが当たり前だった。しかし昨今、徐々にプラスチックゴミ問題に対する意識が高まり、レジ袋の有料化が定着してきているのはご承知の通りだ。
そして今回、デンマーク政府は、店舗での薄いプラスチック製の袋の提供を全面的に禁止する方針を発表した。また、素材や大きさを問わず、商品を入れるための袋を無料で提供することも同時に禁止する。デンマーク環境食糧省は商工会議所や生協と協定を締結し、2023年までに袋の使用量を50%削減することを目指すという。
この取り組みにより、今後消費者は買い物の際に袋を持参するか、再利用できる厚手の袋を購入することになる。現在、スーパーマーケットではすでにエコバッグなどを持参する人が多いが、衣料品店ではまだ無料で商品を袋に入れてもらえることが一般的である。しかし将来的には、あらゆる店舗で袋はお金を払わなければ貰えないものになるのだ。
「われわれは、“使い捨てをする”という考え方から脱却しなければなりません。そのため、通常ほとんど再利用されることのないプラスチックの袋を禁止することにしたのです。」デンマークのエレマン・イェンセン環境食糧大臣は述べる。「プラスチックは自然界では分解速度が非常に遅く、最悪のシナリオでは、最終的に海に流れ着き、海洋環境にダメージを与えます。しかし、プラスチックは食品を長持ちさせるための包装には最適の素材です。そのため、私たちはまず無くしても問題がないものに焦点を当てる必要がありました。レジ袋の禁止から始めるというのは、自然なことだったのです。」
今日、デンマークでは1人あたり年間約80枚のレジ袋を利用しているという。1993年に有料化されてから袋の消費量は約50%減少したが、今回の取り組みでこれをさらに減らしていくねらいだ。
近年、各国でレジ袋に関する対策が取られ始めており、日本でも「全面禁止」とはいかないものの、2020年以降レジ袋を有料化する法案が検討されている。現在、日本ではスーパーマーケットでの有料化は定着しつつあるが、コンビニ等では無料で袋が提供されるのが一般的であり、何も考えずにそれを受け取っている人が多いだろう。日本は1人当たりの使い捨てプラスチックの使用量が世界第2位であるという。法の整備はもちろん、私たち消費者の意識の変化が求められている。
【参照サイト】Danish government bans lightweight plastic carrier bags
【参照サイト】レジ袋有料化、コンビニも対象 環境省が素案提示