3月15日、世界中の若者たちが学校を休んで気候変動への対策を訴えた。#FridaysForFuture デモから私たちが学べること

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深刻化する環境問題。多くの国が取り組む気候変動の問題や、プラスチックごみによる海洋汚染などの問題に対して、自分ひとりの行動では、何も変わらないと思っている人もいるのではないだろうか。

しかし、たとえひとりでも行動を起こすと何かが始まるということはたしかだ。たったひとりの16歳の少女が始めた気候変動に対する訴えが、全世界に広まり、多くの若者を突き動かした出来事がある。その集大成が、3月15日に世界各地で一斉に起きた大規模なデモだ。

3月15日、何が起こったのか

2019年3月15日(金)、世界123カ国、2,000以上の場所で約100万人の学生たちが授業を欠席し、気候変動への対策を社会のリーダーたちに求めるために、大規模なデモを起こした。戦争中以外で過去最低の学校出席率だったこの日は、社会に大きなインパクトを与えた。

気候変動デモ

Image via Shutterstock.com

学生たちの要求は、国や地域によって異なる。アメリカで若者の気候変動へのアクションを促すプラットフォーム「US Youth Climate Strike」では、社会のリーダーたちに対して、化石燃料の使用をやめること、気候変動は国の緊急課題として取り組むこと、気候変動について子どもたちに学ぶ機会を与えること、自然を保護することなど、具体的な要求が挙げられている。

彼らの目的は、デモ活動を通じて、より多くの政治家や企業家などに気候変動対策へ取り組んでもらうことだ。

では、学生たちがわざわざ平日に学校を休んでまでデモ活動をする理由は何か。未来を背負う若者たちが、火急の事態をむかえる気候変動から目をそらし続けながら学校教育をただ受けているだけではいけない。国や企業が掲げる十分でないCO2削減目標のもと、今のままのペースで気候変動が進んでしまえば、必ず若い世代は危機を迎える。そんな中、訴えの声に耳を貸さない政府のもとで勉強していても意味がない。そんな主張を参加者たちは持っているようだ。

ロンドンでは「授業を逃して、あなたたちにひとつ教えている(We’re missing lessons to teach you one.)」と書かれたバナーが掲げられ、ベルリンでは学生たちが行進しながら「私たちはここにいて、大声で言う。あなたたちが私たちの未来を奪おうとしているから(We are here, we are loud, because you are stealing our future.)」と唱えた。

始まりは、一人の少女の行動から

これらの活動はすべて、スウェーデンの16歳の少女グレタ・トゥーンベリ氏が2018年8月から毎週金曜日に学校を休み、ストックホルムの国会議事堂の前に座りこんで、気候変動対策を訴えたことから始まった。

毎週金曜に行われていたことから、のちにこのデモ活動は 「#FridaysForFuture(未来のための金曜日)」と名付けられ、現在も世界各地で行われている。3月15日に行われたデモも、その一つだ。

気候変動の問題を知った当時8歳のグレタ氏は、周りから節電やリサイクルをするよう言われたが、気候変動が人々を脅かす深刻かつ緊急な問題であるにも関わらず、本気で対策に取り組まない社会に疑問を持った。絶滅する種のスピードが従来の1,000〜10,000倍であること、気候変動の一因である化石燃料が使用禁止にならないこと、さまざまなことを彼女は学び、思い悩み、ついに我慢できなくなった2018年8月、学校をストライキしたのだという。

登壇したTED Talkの中で、学校を欠席してデモに取り組む理由をグレタ氏は「社会が未来を守るためのことをしていないのに、無くなるかもしれない未来に向けてなぜ勉強しなければいけないのでしょうか?」と語る。気候変動は私たちが今すぐ取り組まなければいけない課題なのだという強いSOSを、彼女は社会に発信している。

学生たちが授業に参加せずデモに勤しむことに対しては、批判もあった。米ニューサウスウェールズ大学のロブ・ストークス教育大臣は「活動家たちが子供たちに教育を受けさせないように促すのは、不適切だ。3月15日の大規模デモに参加した学生や教師たちは罰せられるだろう」と述べる。

これにグレタ氏はこう返す。

「OK、聞いていますよ。そのうえで、私たちは気にしません。あなたの発言は、ミュージアムに展示するようなもの(古い発言)だから。」

大規模デモが終わった今、私たちができること

デモに参加できなくとも、彼女の意見に賛同した人にできることはたくさんある。ソーシャルメディアで彼らの活動を拡散したり、気候変動とたたかう団体に寄付したり、プラスチック製品の使用を控えたりなどだ。

一人ひとりの行動のインパクトは、小さいかもしれない。しかしそれぞれが社会の抱える課題に真剣に向き合い、声をあげれば大きなうねりとなって多くの人々に影響を与えることができるのだと、この活動は教えてくれている。

たったひとりの訴えから始まり、世界各地で広がりを見せるFridaysForFutureの今後に期待したい。

【参照サイト】US Youth Climate Strikes
【参照サイト】Everything You Need to Know About the Youth Climate Strike on March 15
【参照サイト】As the Youth Climate Strike Wraps Up, What Should We Do Next? YOUTH CLIMATE STRIKE