オランダのユトレヒト、バス停を「ハチ停」に。生物多様性をまもる緑の屋根

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世界の3分の1の作物を受粉していると言われるミツバチ。彼らの受粉作業がなければ、私たちの食卓を野菜や果物が彩ることはなかっただろう。しかし今、農薬や気候変動、大気汚染、病気などさまざまな要因からハチがごっそりと姿を消してしまう状況が世界各地で多発している。

この問題を何とかしようと乗り出したのが、オランダのユトレヒト市。広告代理店のClear Channelと共同で 街にある316のバス停の屋根を緑化し、ミツバチやマルハナバチがとまって受粉できる取り組みをはじめた。オランダには358種類のハチがいるが半分以上が絶滅の危機にあり、同国のレッドリスト(絶滅のおそれのある野生生物のリスト)に掲載されている。

ユトレヒトにできた蜂にやさしいバス停

Image via Clear Channel

バス停の屋根に植えられたのは、多肉植物であるセダム。屋根の緑化は、空気中のホコリや汚染物質を取ったり、雨水を貯めたりする機能もある。「緑の屋根は、健康的で住みやすいまちづくりにぴったり。洪水や熱波の緩和にもなる」と同市の担当者。

ユトレヒト市では、市民が自分の家の屋根を緑化することを奨励しており、そのための補助金も出るという。バス停で心地よさを体感すれば、家でも緑化しようと思う市民も増えるのではないだろうか。

ユトレヒトにできた蜂にやさしいバス停

Image via Clear Channel

バス停は、緑化以外にも環境配慮をしている。LEDライト、ベンチは竹製、さらに植物の手入れをする自治体職員は電気自動車を使用。数年以内には、バス停の屋根に太陽光発電も設置する。また、2028年までには電気バスを投入し、市内のすべての移動をカーボンニュートラルにする予定だそうだ。

日本でバス停といえば、屋根がなく、冷たいスチールベンチが置かれているだけというところも多いのではないだろうか。しかし視点を変えてれば、生物多様性の保全や気候変動の緩和策のフィールドとして、また、まちの魅力をアップさせるツールとして活用することができる。

バス停の心地よさが増すことで、公共交通を利用する人も増えるかもしれない。さまざまな課題を解決していく場としてバス停を活用した好例だ。

【参照サイト】Holland covers hundreds of bus stops with plants as gift to honeybees
【参照サイト】ABRI’S IN UTRECHT VOORZIEN VAN DUURZAME SEDUMDAKEN
【参照サイト】ミツバチがいなくなったら、いったいどうなるの?