生物多様性を守る。イケアのイノベーションラボ、誰でも作れるハチの巣のデザインを無料公開

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ハチと聞くと、私たちはたいていミツバチのことを思い浮かべる。しかし実は、世界に生息する約2~3万種のハチの大多数は群れで生きるミツバチではなく、群居しない単生バチであることをご存じだろうか。単生バチの花粉媒介者としての能力は非常に高く、単生バチ1匹でミツバチ120匹と同じくらい受粉を行うことができるという。

単生バチの住処がもっと増えれば、その子孫が生まれて植物や動物の生存を助け、ひいてはエコシステム全体の繁栄につながる。イケアのイノベーションラボである「SPACE10」は、私たちにとって大切な存在である単生バチの住処を増やすため、「Bee Home」という誰もが無料で利用できるハチの巣のデザインをオープンソースとして公開している。

Bee Home

Image via SPACE10 Photo by Brendan Austin

Bee Homeを作るには、まずオンラインで巣のサイズ、スタイル、設置場所を選び、自分好みの巣をデザインする。そしてそのデザインファイルをダウンロードして巣を組み立て、屋外に設置すれば完成だ。巣のデザインファイルは無料で提供されるため、製作工具さえ持っていれば、かかる費用は木材費のみとなる。

Bee Homeには、多くの単生バチが木や地面の穴の中で生活することを考慮して穴が開けられている。穴の中が、エサを蓄えたり卵を守ったりするための空間となるのだ。また、Bee Homeは釘を使わずに組み立てることができ、リサイクルがしやすいサーキュラーデザインになっている点も特徴的だ。組み立てやすく解体もしやすいというBee Homeのデザインは、日本の木工品にインスピレーションを受けて作られている。

Design Process

Image via SPACE10 Photo by Niklas Adrian Vindelev

Bee Homeを設置することは、私たち人間が都市を創ったり、農薬や化学薬品を使用したりするなかで崩してしまった自然界のバランスを取り戻すための、大切な一歩となるだろう。

単生バチはハチミツを作らず、特段守るものがないため、人に対してフレンドリーなのだそうだ。野生の花が近くにあると、Bee Homeにハチがやってくるチャンスがぐっと増える。最初はなかなかハチが来なくても、 Bee Homeは5~30年持つので気長に待ってみるといいだろう。

【参照記事】イケアのイノベーションラボ「SPACE10」が取り組む、ユニークなプロジェクト7選
【参照サイト】Bee Home
(※画像提供:SPACE10

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