農家が取り組む食品ロス削減。規格外のブロッコリーでスナックを作る「Growers Garden」

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食べられるはずの食材が大量に廃棄されているという、食品ロスの問題。私たち消費者には、消費段階での食品ロスが目につきやすいが、実際には、生産から消費に至るまでのフードサプライチェーン全体を通して、多くの食品ロスが発生している。その一つが、農家が出荷できない「規格外」の作物である。

野菜や果物などの生鮮食品には農産物規格というものが存在し、色、大きさ、重さ、形状、虫食いの有無などの基準によって農家が出荷できるか否か判断する。それらの基準を満たさないものは、「規格外」として家畜の飼料となったり、廃棄されたりするのである。

規格というものが存在する理由の一つは、農作物をあらゆる地域に流通させ、安定した供給をおこなうことである。商品のばらつきをなくすことで、梱包や運搬がしやすくなる。もう一つの理由は、私たち消費者の選択にある。私たちは野菜を買うときに、色や大きさ、重さなどを見て、よりおいしそうな野菜を選ぶ。色や大きさなどが他と違ったり、虫食いがあったりするものは、出荷しても売れないのだ。だから農作物を販売するスーパーマーケットは、全ての商品をなるべく同じ見た目・大きさのもので統一することで、優劣なく均等に供給しようとする。

しかし、基準を満たす野菜もそうでない野菜も同じように育てられ、栄養面でも変わらない。農家からすれば、一生懸命育てた野菜が「数センチ大きい」「色が薄い」などの理由で捨てられてしまうのはあまりに悲しい。

そこでスコットランドの農家が立ち上がり、Growers Gardenという有限会社を作った。同社で販売しているのが、通常は捨てられてしまう規格外のブロッコリーから作ったスナックである。Growers Gardenは食品ロスの削減と、サステナブルな農業の実践を使命に掲げている。ブロッコリーを作る農家の人たち自身が、ブロッコリーのスナックをつくるという革新的な試みは、「すべての野菜を等しく消費者に届け、食品ロスの問題を解決したい」という彼らの思いから始まった。

Growers Garden

Image via Growers Garden

ブロッコリースナックは1パック(22グラム)あたり100キロカロリー未満とヘルシーで、さらにグルテンフリーでビーガンフレンドリーの食品のため、多くの人が健康的にスナックを楽しむことが出来る。ナチュラル、チーズ、チリ、サワークリームの味があり、「Eat Snacks, Save the World. (スナックを食べて世界を守ろう)」と掲げているとおり、おいしく健康に地球に貢献できる。オンラインでの購入が可能だが、現時点で商品配送はイギリス国内に限定されている。

自然が生み出す農作物が、全て同じ形に育つことを良しとするのは、本来不自然なことである。Growers Gardenはそうした不自然さに立ち向かい、自らの手で野菜を育て、余すことなく消費者に届けようとしている。そんな彼らのサステナブルでエシカルな農業を支えるのは、私たち消費者一人ひとりの選択である。彼らが提示する、地球にも身体にも優しい選択肢によって、少しでも食品ロスの問題が解決に向かっていくことを願いたい。

【参照サイト】Growers Garden
(※画像:Growers Gardenより引用)