キーワードは透明性。魚介類の持続可能性を見える化するアプリ「Discover」

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サステナビリティを考える上で、「透明性(トランスペアレンシー)」はひとつのキーワードとなっている。

例えば、フランスの大手スーパーマーケットであるカルフールは、ブロックチェーンの技術を利用して鶏肉の産地や餌の種類などの生産工程についての情報を見える化している。また、オーストラリアの非営利団体Ethical Consumers Australiaが運営するアプリ「Good on You」は、2200件以上のファッションブランドのエシカル度を5段階評価で見える化し、消費者がよりエシカル消費にコミットできるよう促している。

このような「見える化」の背景には、生産者と消費者の距離が広がり、商品の材料や生産過程が不透明になってしまったという原因がある。持続的なシステム作りをするために、まず情報をオープンにし、不透明さをなくすことで問題を改善していこうという運びだ。

そんな「透明性」が重視される中、水産業界の透明度をあげる無料アプリ「Discover(ディスカバー)」が発表された。

このアプリは、水産業界に大きな変革をもたらすべく、持続可能な水産製品やシステムを提供しているデンマークの企業「BioMar(バイオマー)」によって開発された。アプリを使って商品のQRコードを読み込むと、詳細なデータを受け取ることができる仕組みだ。開示されるデータには、素材の原産地や使っている餌の種類、生産過程におけるエネルギーや水の使用量、炭素排出量、商品の細かい栄養情報などが含まれる。

Discover

Image via BioMar

野菜や果物と比べ、シーフードは詳細な情報が得られるケースは少ない。より良い商品を選ぼうとしても情報がないことから比べることができず、「果たしてこの選択は“正しい”のだろうか?」と不安を抱えたまま消費を続ける人も多いのではないだろうか?

BioMarのサステナビリティディレクターであるヴィダル・ガンダーセン氏(Vidar Gundersen)は「シーフードの中にも差異があり、消費者は(Discoverを介して)その違いを知ることによってそれぞれの栄養価や環境への影響、素材の生産地など、自分が何を重視するのかという価値基準をもとに意思決定を行えるようになるだろう。」と語っている。

Discoverによって商品の透明性が上がり情報の追跡が可能になれば、消費者がより安心してシーフードを選択・購入できるようになるだろう。

BioMarが発表した2018年度の持続性に関するレポートで、CEOのカルロス・ディアス氏(Carlos Diaz)は「サステナビリティ業界は連続的な発展を遂げており、私たちは現在、新しい技術と物質・デジタル・生物学の世界が融合する新しいフェーズに移行している。」と述べている。

BioMarはDiscoverに正確なデータを常にアップデートし続けられるよう、巨大なデータを解析できる特殊なアルゴリズムを開発しており、サステナビリティと新技術の掛け合わせにも力を入れている。

現在は最初のプログラム参加者としてノルウェーのサーモン農家である「Kvarøy(クヴァレー)」が発表されており、今後も続々と追加されていくだろう。Discoverがシーフードの透明度を上げ、業界にどのような発展をもたらすのか楽しみである。

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【参照サイト】BioMar
【参照サイト】BIOMAR BRINGS FEED TRANSPARENCY INTO THE HANDS OF SEAFOOD SHOPPERS

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