アートでロスフラワーを救う。結婚式の思い出を絵画に残す「ハナノエ」

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結婚式を美しく彩り感動を与えるウェディングブーケ。しかしその華々しい役割は一瞬で終わり、式後には大量の“生ゴミ”として廃棄されてしまっていることをご存知だろうか?

今、まだ食べられるのに食品が廃棄されてしまう“食品ロス”と同様に、まだ使用できる花が大量に廃棄されている“フラワーロス”が問題視されている。廃棄される花(ロスフラワー)を引き取って、新しいブーケを作成したり、ドライフラワーにしたりと様々な取り組みが行われているが、全体の廃棄量には追いついていないのが現状だ。

特に結婚式などのイベント時に使われる花は、その瞬間に一番美しく咲くようタイミングが図られているため長持ちしないことや、限定された使用シーンを前提として製作されることから、役割を終えたあとは再利用が難しい。

そんな中、使用後のウェディングブーケを色鮮やかな絵の具に変え、結婚式の感動を「絵画」という形で一生に残せるサービス「ハナノエ」が開始された。

ハナノエ

ハナノエは結婚式終了後、集められたブーケの花びらから色素を抽出し、その色素で作られた絵の具と通常の絵の具を使用して、専属のアーティストが顧客の要望をもとにオリジナルのウェディングブーケの絵画を作成するというものだ。花は持ち帰ってもすぐに枯れてしまうが、絵画にすることで結婚式の思い出をかたちとして長く残すことができる。

昨今、ロスフラワーへの認知度は少しずつ上がってきてはいるが、事業者の間で問題に向き合う余裕がなかったり、解決手段がマンネリ化しているのが現状だ。花を絵の具にリサイクルするという新たなソリューションは、これから様々な広がりを見せながらロスフラワーを救っていくだろう。

ハナノエを手がける「ボンアート株式会社」は、予てより「Art for good」(アートによる社会課題解決)を指針として、施設のウォールアートやワークショップなどを手がけてきた。代表取締役の小林政志氏は、実家の家業が花屋であったことから、幼少期から廃棄されていく大量の花々を目にし、花き業界の流通過程で発生するロスフラワーに対して課題意識を持っていたという。

小林氏は、結婚式で使用した花を絵画として残すことについて次のように語る。「誰だって、つい日常に追われ忙しくなってしまうと、目の前のことでいっぱいいっぱいになってしまいます。そんなとき、二人の人生のこれからを想った“あのとき”に立ち返って欲しいなと。そうして色々なことを乗り越えていく中で、絵画の価値は上がっていくと思っています。二人だけのドラマチックな人生に、色を添えられたら何よりです。」

アーティストの大森美瑠​さん(左)と代表取締役の小林政志さん(右)

絵画の内容は、ウェディングブーケ以外にも似顔絵や希望のイメージなどでも可能だ。どの絵も月日を追うごとに「絵の具」という物質的な留め方以上に、想いのこもった存在になっていくだろう。

結婚式で発生するフラワーロスを、新郎新婦の一生に豊かな色を添えるアートで解決する「ハナノエ」。結婚式という悦ばしい晴れのイベントを締めくくるのに、まさにふさわしいサービスではないだろうか。

【参照サイト】花薊
【参照サイト】ボンアート株式会社