マイクロソフト、“バーチャル通勤時間”の導入で、在宅勤務をウェルビーイングに

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新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけにリモートワークを始めたみなさんは、今どのような感想をお持ちだろうか。「通勤時間を節約できて嬉しい」という声も多くありそうだが、通勤という、気持ちを切り替える時間がなくなったため、仕事とプライベートの切り替えがうまくいかないと感じている人も多いのではないだろうか。

マイクロソフトは2020年9月に公開した「パンデミックから6カ月間のウェルビーイングに関する調査結果」で、同社のコミュニケーションツールである「Microsoft Teams」の、2020年2月と8月の利用状況を比較している。同調査によるとパンデミックの発生前と比較して、勤務時間後(午後5時から深夜まで)にチャットを行うユーザーの割合が2倍に増加し、勤務時間後の1人当たりのチャット利用率が69%増加したという

マイクロソフトはこういった調査結果などを踏まえ、リモートワーカーが仕事とプライベートの境界を明確にできるよう、2021年からMicrosoft Teamsに「バーチャル通勤体験」の機能を追加するという。通勤のポジティブな側面をバーチャルで再現することで、リモートワーカーのウェルビーイングの向上につなげるのが狙いだ。

通勤

Photo by Ekrulila from Pexels

バーチャル通勤体験では、具体的にどういう体験ができるのだろうか。まず、スタッフは就業開始時に「通勤」をスケジュールする。そうすることで他のスタッフから見たときに、その人が今「通勤中」であることがわかる仕様になっている。

通勤時間の朝には、散歩をしたり、コーヒーを飲んで1日の計画を立てたりするための時間を意識的に確保し、仕事に向けて気分を整える。仕事を終える時間になったら、タスクをToDoリストに加えたり、1日の調子を振り返ったり、瞑想をしたりして、徐々に仕事から自分を切り離す。どのような体験にするかは、ユーザーが自由にカスタマイズすることができるという。

同社はMicrosoft Teamsで瞑想体験を提供するにあたり、500社以上にマインドフルネス関連の製品やサービスを提供してきた会社「Headspace」と協業する。Headspaceが提供する瞑想体験はストレスを軽減し、集中力とレジリエンスを高めることが臨床的に実証されたという。瞑想にかける時間は1日10分でも、効果が得られるそうだ。

テクノロジーは、在宅勤務の拡大や生産性の維持に貢献するだけでなく、働く人のウェルビーイングを高める力にもなれる。そんな明るい希望を感じさせるMicrosoft Teamsの新機能だ。まだまだ在宅勤務が続くみなさんは、仕事も含め1日を気持ちよく設計するつもりで臨んでみてはどうだろうか。

【参照サイト】 New tools can help boost wellbeing and soothe unexpected stresses of working from home
【参照サイト】 ハイアットと瞑想アプリのヘッドスペースがコラボレーションを発表

Edited by Erika Tomiyama

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