リジェネラティブ農業に取り組む農家が、カーボンクレジットを販売できるサイト「CIBO Impact」

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「環境を再生する農業」と聞いて、どんなものを想像するだろうか。土壌を健康にし、温室効果ガス排出量を削減し、大気からCO2を取り出すリジェネラティブ(環境再生型)農業がいま、世界で注目されている。農地を耕さないで作物を栽培する不耕起栽培や、作物を作らない期間に土壌侵食防止でイネ科やマメ科の植物を育てるカバークロップ、そして精密農業といった農家の取り組みは、CO2を減らすと同時に野菜を育てるための土壌を活性化させることに貢献している。

こういった地球に優しい行いをしている農家が、その行いによって経済的に報われる機会が増えれば、リジェネラティブ農業はより拡大していくのではないだろうか。イギリスとアメリカに拠点を置くソフトウェア企業の「CIBO」は2020年10月、リジェネラティブ農業に取り組む農家が、これまでのCO2排出削減量を取引可能な形態にしたカーボンクレジットを生成し、販売できるオンラインプラットフォーム「CIBO Impact」をローンチした。

CIBO Impactでは、カーボンオフセットに取り組みたい組織や個人が、農家から直接カーボンクレジットを購入できる取引市場を提供している。農家は自分の土地を同サービスに登録し、CIBOはその土地におけるCO2排出量の削減および炭素隔離(大気中へのCO2排出を抑制する手段のこと)の成果を数値化する。さらにCIBOは、人工衛星などにより遠く離れた対象の観測を行うリモートセンシングやコンピュータビジョンを駆使して、農家が持続可能な農法を実践しているかどうかの確認も行う。

同社のサイトでは、サービスに登録していなくてもCIBO Impactの機能の一部を試すことができる。カーボンクレジットの購入を考えているユーザーは、プラットフォーム上で目当ての農地を検索すると、そこで購入できるカーボンクレジットの量を確認できる。その土地で持続可能な農法を導入している場合としていない場合の、カーボンフットプリントの比較もできてわかりやすい。

CIBO Impactの長期的な目標は、土地と農家の暮らしをより豊かにし、アメリカ国内の持続可能な農業への転換をサポートすることだという。CIBOによると、すでにアメリカの農家の64%がリジェネラティブな農法を行っており、21%がその導入を検討している。地球を大切にする農家の主体的な取り組みを応援するとともに、その労に報いる場ができたことは、気候変動に脅かされる私たちにとって朗報ではないだろうか。

農家と消費者と企業が炭素を通して繋がり、環境的にも経済的にも持続可能な農業の推進を図るCIBO Impact。私たちの食を支える農家の人たちと、こういうかたちで繋がることができるのは嬉しい。

【参照サイト】 CIBO

Edited by Erika Tomiyama

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