商品の環境負荷が分かる。米コスメブランドの「カーボンラベリング」

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「レストランのメニューに、商品の環境負荷を表示したところ、売上が上がった」。こう聞いたら驚くだろうか。アメリカのサラダ専門店「Just Salad」で実際に起こったことだ。2020年9月から店のメニューに、商品のカーボンフットプリントを記載したカーボンラベルを貼ることをスタートし、環境に良い食品を選んで食べるクライマタリアン向けのCO2排出量が少ないメニューを提供したところ、これらの商品の売上が20%以上伸びたという。

このように今、カーボンラベリングは様々な業界の注目を集めており、2021年3月にはアメリカのビューティブランド「cocokind」が、製品パッケージにカーボンラベルを付け始めた。「サステナビリティに関するファクト(sustainability facts)」と名付けられたこのラベルには、製品の原材料調達から生産、流通、廃棄まで、ライフサイクルの各段階におけるカーボンフットプリントが表示されている。

同社はこの取り組みを行うことで、製品のライフサイクル全体にかかる環境負荷を定量的に算定することができ、今後はその内容をもとにカーボンオフセットなど、カーボンフットプリントを減らすための具体的な計画を立てることができる。消費者は、ラベルがあることで自身の環境への影響を意識することができ、環境に優しい製品を選ぶ習慣を身に付けていくかもしれない。カーボンラベリングは、サステナビリティにコミットし続けるための第一歩なのだ。

cocokindの創業者であるプリシラ・ツァイ氏はFast Companyの取材で、カーボンラベリングを始めた理由について次のように語っている。

「私たちは自分たちのことを『クリーンでサステナブル』だと言ってきました。それは本当のことですが、こういった表現は規制されておらず、業界内で頻繁に耳にするようになりました。その中で、『サステナブルです』と言うだけでは不十分だと気が付いたんです。どのようにサステナビリティを測定し、それを消費者に伝えるか。その方法を考え始めました。」

他にも、スウェーデンの飲料・食品ブランドである「Oatly」が製品にCO2排出量を記載したり、食品・日用品大手のユニリーバが全製品にカーボンフットプリントを明示する方針を打ち出したりと、カーボンラベリングは徐々に主流になりつつある。

今後カーボンラベルが普及するにつれ、企業がカーボンフットプリントの削減に意欲的に取り組み、消費者の環境意識が高まるという、ポジティブな循環が生まれていくだろう。まずは企業も消費者も、自らの環境負荷を知るところから始めたい。

【参照サイト】 measuring our carbon footprint – cocokind

Edited by Erika Tomiyama

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