CO2を多く出す航空会社へ環境税を。スウェーデンの気候変動対策

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私たちがコロナ禍以前にたくさん乗っていた飛行機は、思っている以上に環境負荷が大きい。航空産業のサステナビリティに取り組む団体Air Transport Action Group(ATAG)によると、世界中で2019年に45億人の乗客が航空便を利用し、9億1,500万トンのCO2を排出したという。これは人間が出すCO2約430億トンの約2%に相当する。また、航空は全ての運輸のCO2排出量の12%を占めている。

飛行機が排出するCO2の約80%は、1,500キロメートルを超える長距離フライトであり、所要時間を考慮すると実用的な代替輸送手段はない。飛行する機体の効率を上げるしかないのだ。

そこでスウェーデン政府は2021年3月22日、温室効果ガスの排出量が多い航空機を使っている航空会社に対しての離着陸の料金を引き上げ、逆に環境負荷の少ない航空機には引き下げる方針を発表した。議会の承認が必要だが、承認されれば2021年7月から施行されることとなる。トーマス・エネロス運輸大臣は次の通りツイートしている。

スウェーデンは航空における気候変動対策をリードします!

運輸セクターは、変わらなければなりません。本日、我が国の二大空港(ストックホルム・アーランダ空港とイェーテボリ・ランドヴェッテル空港)で気候変動に基づく離着陸の料金導入を進めますが、これはEUで初めてのことです。

この取り組みは、いわば環境税だ。環境税とは、私たちの日常生活や事業活動で生じる環境負荷に対して税金をかけることを指す。つまり、地球環境に負荷をかけるものに高い税金を課して利用を抑制し、逆に環境保全に有益なものの税金は下げることで、人々がより環境にポジティブな影響を与える行動をしやすくする仕組みだ。2020年10月には、フランスでも航空機に対して環境税をかけることが検討された。

乗客となる私たちが、環境に優しい航空機を意識して選ぶことで、業界全体の変化に影響を与えることもできるだろう。AirbusのA380とA220、Boeing 787、ATR-600、Embraer E2といった航空機は、100人の乗客を1キロメートル運ぶのに必要な燃料は3リットル未満で、最新のコンパクトカーとほぼ同じである。

スウェーデンは、Flight shame(フライトシェイム・飛び恥)の概念を世界で初めて広めた国でもある。この取り組みが功を奏するのか、期待したい。

【参照サイト】Air Transport Action Group Facts and Figures
【参照サイト】Sweden to increase airport fees for high-polluting planes
Edited by Kimika

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