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環境税とは・意味

環境税

環境税とは?

環境税は、私たちの日常生活や事業活動で生じる環境負荷に対して税金をかけるシステムのこと。わかりやすく言うと、地球環境に負荷をかけるものに高い税金を課して利用を抑制し、逆に環境保全に有益なものの税金は下げることで、人々がより環境にポジティブな影響を与える行動をしやすくする仕組みだ。現在、スウェーデンやノルウェー、オランダ、ドイツなどの国々で導入されている。

中でもCO2に着目した炭素税は、石炭や石油、天然ガスといった化石燃料の炭素含有量によって課税し、価格を上げることで需要を抑制する税制だ。世界で一番早く炭素税を導入したのは1990年のフィンランドで、日本では2012年10月に「地球温暖化対策のための税(環境税)」が導入された。

また地方環境税のように、ある地域固有の自然の破壊などに課す税金もある。この地方環境税には、森林環境税、水源環境税、産業廃棄物税などが含まれる。そこで得られた税収は、森林の間伐など環境を健康に守るために使われたり、福祉事業に充てられたりするのが一般的だ。

各国の環境税導入事例

環境税の導入をいち早く始めたヨーロッパ諸国では、環境負荷となりうるものに対して、より厳格に課税する傾向がある。スウェーデンやオランダ、ドイツ、イギリスなどでは炭素税に加えて、電気・エネルギーの量に対して課税するエネルギー税が検討されている。フランスでは、航空券にも環境税が課される。デンマークでは、容器全般が課税対象だ。また、オーストリア・ウィーン市では、木の伐採が課税対象で、植林されない場合に罰金が科される。これらの取り組みにより、ヨーロッパ諸国は2008~2012年期の温室効果ガスの排出量を、京都議定書の目標値である13%減(1990年度比)を達成した。

中国では2018年から、大気や水質の汚染を防止するために一定の税金を課す「環境保護税」が施行された。一方、アメリカでは国家単位では導入がされていなかった。しかしバイデン政権に代わったことでパリ協定への復帰と、炭素税の導入の検討をしていることが明らかにされている。

日本では2050年までに8割の温室効果ガス排出を削減し、低炭素社会の実現に向けて主に燃料・エネルギー・自動車に関する環境税がある。「地球温暖化対策のための税」では、化石燃料に由来する排出を抑制し、その税収を再生可能エネルギーや省エネ対策に活用する。

環境税導入のメリットとデメリット

すべての取り組みの本来の目的は、気候変動を抑制することにある。環境税導入のメリットとしては、課税により、CO2などの温室効果ガスの排出を抑制する「価格効果」と、その税収を排出抑制のための環境施策に活用する「財源効果」がある。また、環境税の導入により人々の気候変動への意識が高まり行動に変化が起こることも期待される。

デメリットには、経済成長の足かせになるといった点が挙げられる。自動車産業など日本の基盤産業を衰退されるという声もある。また、一部の国だけで環境税を課税すると、コストの上昇を回避するために、事業者が生産拠点を他国に移転する懸念があるため、抜け道を作らないように国際協調が重要だ。

また課題として、課税を一律にしていくのはどうなのか、といったこともあげられる。中小企業などでは、経済競争力を失ったり雇用を失ったりすることも懸念されるのだ。日本で環境保全をしながら財政赤字に対して包括的に対応するために、どのような仕組みを整えていくのか。今後の展開に期待したい。

まとめ

各国、環境税制や税率は多種多様だ。ばらつきがあるのは、それぞれに異なる現地事情や世論を反映するため、必然と言える。ヨーロッパの環境税制が進んでいるのは偶然ではなく、経済的に成熟しており、市民の環境意識が高いためだ。

しかし京都議定書やパリ協定がありながら、なかなか世界は環境で同じ方向を向くことができずにいる。自国の経済成長に頭を前のめりにさせるのではなく、各国が世界共通の課題であるという認識を持ち、環境対策への効果を最大化するために、協調する姿勢を期待したい。

【参照サイト】環境省「地球温暖化対策のための税の導入」
【参照サイト】環境省「諸外国における税制全体のグリーン化の状況」
【参照サイト】環境・持続社会 研究センター(JACSES)
【参照サイト】Office for National Statistic

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