スターバックス、日本国内の店舗で使う電力を100%再エネへ

Browse By

アメリカ生まれのコーヒーチェーン、スターバックスが2021年5月18日、日本国内の店舗で使用する電力を100%再生可能エネルギー(以下、再エネ)に切り替えることをウェブサイト上で発表した。

2021年2月にオープンした「スターバックス コーヒー 狭山市入間川にこにこテラス店」を皮切りに、これまでドライブスルーなどの直営店301店舗で切り替えを終了。2021年10月末には北海道、東北、沖縄を含めた約350店舗へ広がる。これにより、日本国内のスターバックスの約2割にあたる直接電力の契約が可能なすべての店舗において、再エネへの切り替えが完了する。

今回の切り替えでユニークな点は、単に環境面に考慮して再エネを使っていることだけではない。電力の供給先の選定においても、地域の電力を(周辺)地域の店舗で循環し、地域貢献することを意識している点だ。

たとえば千葉のベイシア富里店・香取佐原店・成田美郷台店では、千葉大学の講師や学生が立ち上げた、自然エネルギーと農業を両立させるソーラーシェアリングサイト「匝瑳飯塚Sola Share1号機」を活用。木更津店や市原店では、小児喘息で苦しむ子供たちのために太陽光発電や電気自動車を普及させ大気汚染を無くすことを目指す、しらさぎ発電所を利用する。

鹿児島仙巌園店に至っては、なんと明治41年に運用開始した旧薩摩藩主島津家の自家用水力発電所から電力供給を受けている。

鹿児島仙巌園店

鹿児島仙巌園店

京都二寧坂ヤサカ茶屋店は、大阪府高槻市にある第六中学校太陽光発電所から電力を購入している。このお金は、学校施設の改修にあてられる他、環境基金にも積み立てられ環境教育や新エネルギーの普及促進等に活用される。

「スターバックスは創業以来、ミッションに基づき、『コミュ二ティへの貢献』を大切に、一杯のコーヒーを通じて人と人とのつながりを育んでまいりました。」スターバックスのプレスリリースではこのように述べられている。

誰もが知る大企業の全面的な電力切り替えは、これから脱炭素を目指そうとする企業の後押しになる。スターバックスは二酸化炭素排出量やコーヒー生産に使う水の量、そして廃棄物を50%削減し、資源を使うよりも生み出し還元していく「リソースポジティブ」を目指している。今後も環境、そして地域経済への取り組みは、まだまだ続いていくだろう。

【参照サイト】スターバックスの店舗で使用する電力を100%再生可能エネルギーへ 地域の恵みとなる電力を選定し、10月末までに国内の2割にあたる路面の直営店約350店舗で切替完了
Edited by Kimika

FacebookTwitter