コロナ禍のウェルビーイングな働き方。スウェーデンの習慣「小さな土曜日」

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コロナ禍でテレワークをしている皆さんは、どのような気分転換をしているだろうか。カルビー株式会社が2020年8月に実施した調査によると、テレワーク特有の疲れやストレスを感じている人は55.2%おり、その原因として「仕事とプライベートの境界線が曖昧」という回答が最も多く挙がったという。また、テレワーク中の一休みの過ごし方としては、「飲み物を飲む」「間食を食べる」「ストレッチをする」といった回答が多く見られた。

多くの人が、他にも様々なリフレッシュ方法を試しているかもしれないが、ぜひ一度スウェーデンの文化である「lillördag(小さな土曜日)」を取り入れてみてはどうだろうか。これは水曜日の夜に行われる慣習で、“土曜日のようにリラックスして”疲れを癒すことを目的としている。仕事から切り離されていれば時間の使い方は完全に自由で、ちょっと贅沢な食事を楽しんだり、体を鍛えたり、映画やドラマを見たりと、それぞれが週の真ん中で思い思いの時間を過ごす。

寛ぐ女性

Image via kaboompics

「小さな土曜日」は、テレワークによって仕事とプライベートの境界線が曖昧になりがちなコロナ禍で、一層注目されている。ストックホルムに住む、5児の母であるアン・ソダーランド氏はBBCの取材に対し、「コロナ禍で、小さな土曜日というセルフケアの習慣がより大切になった」と話す。ストックホルム大学ストレス研究所のコンスタンツェ・ライネヴェーバー准教授によると、男女平等の進んだスウェーデンでも、特に女性は比較的ワークライフバランスを取ることが難しいため、精神的に疲れやすいのだという。

ソダーランド氏は6年前から、2児の母であるアニータ・クレメンス氏と一緒に、小さな土曜日をコンセプトにしたポッドキャスト「Lillelördag」を配信している。配信曜日は、もちろん水曜日だ。このポッドキャストは多くの女性リスナーから支持を得ており、スウェーデンのポッドキャストランキングで上位50位に入るほどだという。この例を見てもわかるように、小さな土曜日には、人それぞれ充実した時間を送っている。

自身も新型コロナに感染したソダーランド氏は、人生におけるシンプルな喜びがいかに大切か、そして困難な時期には小さな行動がいかに大きな違いを生むか、改めて思い出すことができたという。もしあなたが「休みはあっという間に過ぎるのに、平日は長いな」と感じているのなら、小さな土曜日を取り入れて、機嫌よく過ごしてみてはどうだろうか。

【参照サイト】 Lillördag: Sweden’s workers de-stress with ‘Little Saturday’ – BBC Worklife

Edited by Erika Tomiyama

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