新型コロナウイルスの感染状況が落ち着きを見せ、小学校で3年ぶりに対面での入学式が行われたり、水泳の授業が再開されたりと、喜ばしいニュースが増えた2022年。そんななか、何らかの事情により登校を渋る子どもがいるかもしれない。
新型コロナの流行という特殊な状況に長く置かれた子どもは、ストレスを抱えたり、学校生活に不安を感じたりしている可能性がある。彼らの心をケアし、学校生活に前向きに取り組んでもらうには、どうすればいいだろうか。
オーストラリア発の学術系ニュースサイト「The Conversation」の記事では、学校再開後に登校を渋る子どもの心をサポートするために、「保護者は朝の支度でイライラしないよう、前の晩に子どもの服を準備したり、お弁当を作ったりしておく」「学校の先生は子どもに、『登校したら植物の水やりをする』という役割を与える」といった方法を紹介している。
他のユニークな方法もある。ポーランドのヴロツワフという街では、犬が学校の授業に参加したり、図書室で過ごしたりすることを認める、「Dog at school(学校に犬を)」というプロジェクトが推進されている。
2021年に一部の学校でパイロットプロジェクトが実施され、2022年現在はすべての学校で犬が許可されているという。
パイロットプロジェクトに参加した小学校 Szkola Podstawowa nr 84には、Dropsという名前のパグがやって来た。1週間に2回来るそうで、図書室にDropsのためのベッドが置いてある。Dropsと過ごしたい子どもたちは、図書室に行くことが増え、本をよく借りるようになったという。
Dropsと校庭を散歩したり、餌を与えたりする子どももいる。ある子どもはWrocław TVの取材に対し、「悲しいとき、Dropsをなでたり餌をあげたりすると、良い気持ちになる」と話している。犬がいることで、学校に行く楽しみが増えた子どもが多そうだ。
オンライン授業が可能な昨今、学校に行くからこそできる体験の価値が高まるのではないだろうか。Dog at schoolを通じて、生物に対する責任感も育まれることを期待したい。
【参照サイト】Pies w szkole
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