【アンケート回答で寄付になる】生活者と一緒に考える、これからの都市建築とサステナビリティ

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【アンケート回答で寄付になる】
生活者と一緒に考える、これからの都市建築とサステナビリティ

「サステナブルな生活をしたい」。そう思っていても、実際に行動に移すことは難しいと感じることがありませんか?

例えば、毎日の買い物のとき。環境に配慮してパッケージフリーの日用品を購入したいと思っても、近くのお店ではパッケージに入った商品しか販売されていなかったり、カフェや飲食店では使い捨てのカップを使用せざるをえなかったり。都市部に住んでいると、地産地消の食材を探すのにも一苦労かもしれません。そんなふうに、私たち個人が消費者としてどんなに環境や社会に対して良い行動を取りたいと思っても、既存の仕組みや慣習が大きく変わらない限り、実行するハードルはなかなか下がりません。

──そんな課題を解決しようとしているのが、建築クリエイティブスタジオの「NoMaDoS(ノマドス)」です。NoMaDoSは、一級建築士の所属する建築事務所でありながら、設計士だけでなく、ビジネス領域のプロデューサーやマーケター、Webデザイナーやライターなどが所属し、包括的な視点で空間や場をプロデュースする会社です。2020年末には、生活者のサステナブルな都市生活をサポートするマップ型アプリ「slowz(スロウズ)」をリリースしました。

そして同社が新たに開始しようとしているのが、生活者の声を建築や店舗内装のつくり手に届け、都市のあり方や建築の仕組みをよりサステナブルにかえていくプロジェクトです。

今回のプロジェクトには、本記事のアンケートより、読者のみなさまにご参加いただけます。「問い」に答えながら、自身の生活の中のサステナブル意識について、改めて考えてみませんか?また、今回のアンケートの総回答数×100円を多様な社会課題に取り組む団体さまに寄付させていただきます。(支援団体など取り組みの詳細は、今後SNSなどで掲載予定です)。

アンケートの「問い」に答える

IDEAS FOR GOODは、NoMaDoSのCSOでありslowzプロデューサーである田中滉大氏に、「高い専門性が必要な建築業界ならではの課題」や、「プロジェクトの皮切りとなった「斗々屋」京都本店の内装デザイン」について、「なぜ今、生活者の視点がサステナブルな都市をつくるために必要なのか」について伺い、都市のサステナビリティについて考えました。

斗々屋

『斗々屋』京都本店 Image via 斗々屋

高い専門性が必要な建築業界ならではの課題とは?

近年では、身近な日用品や食品の分野で、生活者の声やニーズを反映した商品やサービスがつくられることは、めずらしくなくなってきました。しかし、高い専門性を必要とする建築業界では、いまだにそうしたアプローチはあまり実現できていないのが現状です。

建築設計の仕事に携わるには、高い専門知識や資格、スキルなどが必要です。そのため、どのような都市や建築物を作っていくのかという議論は、専門家や学者の視点でアカデミックに行われがちです。また、専門的であることに加え、建築に関わる業務はスケジュールやコストの面でさまざまな制約もあります。こうした理由から、「消費者が実際はどのようなニーズを持ち、どう感じているのか?」といった肝心なことは十分に議論しつくすことができず、建築の設計やコンセプトに反映されにくくなってしまうのです。

例えば、現在の住宅の在り方は、戦後の日本が貧しい時代につくられたもの。高度経済成長期であった当時、多くの人の生活の質を上げるためには、はやくたくさんの建物を建てることが最優先事項とされました。一方、ほとんどの人が安全な住居に住むことができるようになった現代では、多様化する生活を起点に住宅設計を考えていく必要性が出てきています。

ビル

この課題を解決するには、建築設計士が、設計の仕事の外に飛び出し、ユーザーの声を聞いてそれを建築に反映する必要がある──そう考えたNoMaDoSは、「専門知識を持つ設計事務所」でありながら、「slowzを通して消費者とのつながりも持つ」という特性を活かし、今回の消費者の声をつくり手に届けるプロジェクトの発足を決めたのです。

プロジェクトの皮切りとなる、『斗々屋』京都本店の内装プロデュース

このプロジェクトの第一弾となるのが、2021年7月にオープンしたゼロ・ウェイスト・スーパー『斗々屋』京都本店の内装プロデュースです。

『斗々屋』は、量り売りを軸に循環型な社会を目指し、オーガニック食材のゼロウェイストな卸販売、そして2019年からは直営店を展開している会社です。京都で新たにオープンした本店では、国内外の食材数百種類に加え、固形のシャンプー、洗剤、ステンレスストローなど生活に必要な商品を量り売りで提供。さらに、夕方からは日中店内で販売していた生鮮食品を用いた料理を提供する、食品ロスを出さないことを目的としたレストランを運営しています。

『斗々屋』京都本店 Image via 斗々屋

『斗々屋』京都本店 Image via 斗々屋

環境問題に配慮した小売店である『斗々屋』は、店舗の内装にもそのコンセプトを反映したいという想いを持っていました。そこで今回NoMaDoSが、店舗内装をはじめ、什器のデザイン、素材の選定に至るまで、環境配慮かつゼロ・ウェイストという視点で総合的なデザインをプロデュースしました。

「今回は、店内の壁や天井、床などを、移動や分解ができ、再び組み立てられる設計とし、未来の廃材をなくすことに挑戦しました。また、斗々屋のコンセプトを体現するため、一般的に使用される建材についても改めて考え直したり、商業建築におけるサステナビリティをより深く考えたりしました。特に、今後の社会にサステナブルな建築・商空間が広がるためのプロトタイプとなるように、飾りすぎず、完成され過ぎないような『包装されていない空間』を追求し、試行錯誤を重ねました。

ビジネスの競走が激しい都市部では、一年もたたないうちにお店が立ち行かなくなることもよくあります。そして、その度に店舗内装に使われていた資材が産業廃棄物となってしまうことは、事業者の経済的な面でも、環境負荷の面でも、大きな課題です。そのため、営業継続出来る為のデザインでの助力は勿論ですが、今回のような移動・分解・移築する前提で内装設計を考えることは今後のサステナブル建築の答えのひとつとなるのではと思っています。」

斗々屋

斗々屋 現場写真 Image via NoMaDoS

「都市」と「生活」のサステナビリティが上手く循環する仕組みを

「建築分野において事業者と生活者がつながれば、『サステナブルな生活』と、その生活者の声が入った建築や空間という『都市』の、その両方が上手く両立して循環する仕組みをつくることができる」と、田中さんは語ります。事業者と生活者が交わることで、より多くの人が街や建築、店舗の在り方に関われるようになるのです。

「私たちは、生活者視点のデータも市場や経済データと同じよう重要なものとして扱い、それを十分に取り込んだサステナブルな都市デザインを模索していきたいのです。もちろん、生活者視点のサステナブル建築には、多様な答えが存在すると考えています。自分たちはその中から、選択肢のひとつを提示できたらいいなと思っています。」

NoMaDoSは今後このプロジェクトを通して、生活者を起点としたソリューションを用いて、斗々屋のようにサステナビリティを推進する店舗の出店・設計支援を行っていく予定だと、田中さんは語ってくれました。また、9月上旬にはアプリ「slows」もアップデート予定です。ユーザーがslowsのサステナブル店舗マップを使う際、実際に訪れた人々のコメントを読むことができ、「心地よさ」でお店を選べるようになったり、東京にとどまらず、様々な地域でサステナブルな場所を調べたりすることが可能になります。NoMaDoSの取り組みから、目が離せません。

『斗々屋』京都本店 Image via 斗々屋

『斗々屋』京都本店 Image via 斗々屋

サステナブルな都市づくりを後押ししよう!

アンケートでは、「普段どのようなエシカル消費やサステナブルな行動をしていますか?」といった質問や、「買い物する際、どのようなことを意識して買い物をしていますか?」といった私たちの生活に関する質問があり、普段の生活を見直すきっかけや、新たな発見にもなります。

IDEAS FOR GOOD読者のみなさんの声を建築業界に届け、生活とつながるサステナブルな都市をつくっていきませんか?

【参照記事】「ゼロ・ウェイスト」なスーパーマーケット『斗々屋』京都本店を決定〜日本の伝統的な量り売りを最先端のテクノロジーで再発明〜(プレスリリース)
【参照サイト】NoMaDoS(ノマドス)
【参照サイト】slowz
【参照サイト】株式会社斗々屋
【関連記事】無理のないサステナブルな都市生活をサポートする。slowzのマップ型ポータルアプリ

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