リトアニアの街全体がアートギャラリーに。コロナ禍の芸術家を支援

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「アート作品を買う」と聞くと、アートフェアやギャラリーに行って買ったり、SNSなどを通じてアーティストから直接買ったりすることをイメージする人が多いかもしれない。

もし、街で見かけたアート作品を買うことができたら、アートを身近に感じやすいだろうか。

リトアニアの首都ヴィリニュスでは、2020年、街中の広告パネル付きのバス停などでアート作品を紹介する、「Menas be stogo(アートに屋根はいらない)」というプロジェクトが実施された。

すべてのアート作品が購入可能で、専用のサイトにアクセスすると、アーティストの連絡先とアート作品の価格が分かる仕組みになっている。

Image via Go Vilnius

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2020年には、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて多くのギャラリーが休廊し、アーティストたちが経済的な打撃を受けた。Menas be stogoは、そんなアーティストを支援するために始まったプロジェクトだ。

アート作品の印刷などにかかる費用は、ヴィリニュス市と屋外広告会社のJCDecauxが負担するため、アーティストはプロジェクトに無料で参加できる。

Menas be stogoに参加できるアーティストの数は100人で、ヴィリニュス市には500人以上のアーティストからの応募が来たという。アーティストたちの、屋外ギャラリーへの関心の高さがうかがえる。

道行く人たちにとっても、歩いていてアート作品が自然と目に入るのは、良い体験ではないだろうか。ヴィリニュス市の公式サイトには、屋外ギャラリーの場所が分かるオンラインマップが載っているので、それを見てアート巡りをすることもできる。

Menas be stogoは好評を博し、通常のギャラリーが再開し始めた2021年にも開催された。ヴィリニュスのレミギユス・シマシュス市長は、「Menas be stogoは、パンデミック時にのみ必要とされるのではない。街は常にアートを必要とし、アーティストは常に街を必要とする。だからこそ、このプロジェクトは存続する」語っている。

気に入ったアート作品を、ぜひ街から家に持ち帰ってみてはどうだろうか。

【参照サイト】Menas be stogo | Go Vilnius
【参照サイト】Vilnius converts itself to Art Gallery aiming to support artists hit by the pandemic | JCDecaux Lithuania
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