創造力で気候危機に立ち向かう。「Climate Creative」に込めた思いとは?

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Climate Creative(クライメイト・クリエイティブ)は、人々をワクワクさせる創造的なアイデアや、人々に新しい視点を提供する創造的な表現とコミュニケーション、デジタル技術を活用した創造的なビジネスモデルの創出などを通じて気候危機に立ち向かう、IDEAS FOR GOODと株式会社メンバーズによる共創プロジェクトです。気候危機とクリエイティビティをテーマとする情報発信・イベント・共創ワークショップ・人材育成プログラムなどを展開していきます。

“Whether by disaster or by design, humanity will be brought back in balance with the Earth.”(災害か、デザインによって、人類は地球のバランスの中に押し戻されるだろう。)Laetitia Mailhes, Global Footprint Network

人類が自らの経済・社会システムをリデザインすることで気候危機がもたらす影響を回避するか、さもなければ自然災害によって人類は多大な影響を受け、結果として地球の生態系バランスは保たれる──この表現ほど、いま私たちが直面する危機と希望の両方を的確に表す言葉はないだろう。

すでに人間の活動が原因で気候変動が進行しているという事実が科学的に合意され、「1.5℃目標」の実現に向けて早急なアクションが求められているにも関わらず、世界では未だに十分なスピードで気候変動緩和や適応が進んでいるとは言えないのが現状だ。なぜ、私たちは直面する危機を理解しているにも関わらず、十分なアクションをとれないのだろうか。私たちは、その原因の一部は、気候危機をめぐる問題の複雑性にあると考えている。気候危機は環境、社会、経済、技術、政治、安全保障、歴史などにまたがる複雑な問題であり、その深刻さに対する合意はできても、解決策についての合意は決して容易ではない。

そもそも、気候危機の「危機」とは一体なんの危機なのだろうか。地球環境。生物多様性。人類。西洋文明。資本主義。民主主義。こころ。この問いに対する回答の多様性こそが、問題の複雑性を反映しているとも言える。

また、人間の認知も、十分なアクションを取れない原因の一つだと考えている。気候正義気候不安といった言葉が生まれ、「サステナビリティ」という概念そのものの Decolonization(脱植民地化)すら叫ばれる昨今では、私たちが「危機」と考えるその眼差し自体を問い直していく必要があるのだ。また、仮に解決につながる行動が分かっていたとしても、それが負担や我慢を強いるものだと人々が認識している限り、必要なアクションを広げていくことは難しい。

こうした一つの正解がない複雑な問いに対して立ち向かうために、私たちはどうすればよいのだろうか。そもそも「立ち向かう」という言葉すら正しい選択なのかが分からないほどに人間と自然との関係性を再考する必要に迫られている私たちに求められているのは、どのような眼差しなのだろか。そして、人々が気候危機という問題に関心を持ち、自らも問題ではなく解決策の一部として関わりたいと感じるためには、どうすればよいのだろうか。

これらの問いを考える中で辿り着いたのが、「Climate Creative(クライメイト・クリエイティブ)」という言葉だった。Climate Positive でも Negative でもなく、Creative(創造的であること)。IDEAS FOR GOOD ではこれまでも社会課題をクリエイティブに解決しようと挑むたくさんの人々に出会い、多くの希望と勇気をいただいてきた。

創造的なアイデアには、人々をワクワクさせ、インスピレーションを生む力がある。創造的な表現やコミュニケーションには、人々に現状に対する新たな眼差しを与え、認知とナラティブを書き換える力がある。創造的なビジネスモデルには、直接的に気候危機を回避し、市場を問題の発生源から解決策に転換する力がある。

ここでいう「Creative(創造的であること)」とは、デザインやアート、テクノロジーといった狭義の創造的な活動だけを指しているのではない。大事にしたいのは、気候危機に対する私たち一人一人のスタンスであり、ありかただ。

気候危機の現実と深刻さを正しく認識し、自分にとっての不都合な真実と向き合う強さ。その中にも希望を見出し、ほしい未来を想像し、その実現に向けて人々を巻き込んでいく前向きなリーダーシップ。変革の過程で誰かを置き去りにすることなく、絶望や悲しみ、怒りにも寄り添い、公正さと世界の多元性を尊重する優しさ。

これらを大切にしながら、正解のない問いに対して多様な人々と対話を重ねながらお互いの創造力を刺激しあい、新たな解決策を創造していく。そのプロセスこそが、気候危機に立ち向かう上でもっとも求められているのではないだろうか。

今後、Climate Creative では、社会をもっとよくする世界のアイデアマガジン「IDEAS FOR GOOD」とデジタルの力で「持続可能な社会の創造」を目指す株式会社メンバーズとの協働により、気候危機に創造的に立ち向かうための情報発信、イベント、共創ワークショップ、人材育成プログラムなどを展開していく。自らの創造力を活かして気候危機に挑みたいという方は、ぜひ Climate Creative の活動に参加していただけると幸いだ。

Climate Creative を立ち上げた経緯、実現したい未来、そして世界中のクリエイティブなデジタル・サステナビリティ、コミュニケーションの実践などについて、イベント「ワクワクが未来を変える。気候危機にクリエイティブに立ち向かうアイデア最前線」を2023年1月18日に開催します。ご参加をお待ちしております。

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