シリア、トルコ、イラクといった国に対して、どういうイメージを持っているだろうか。イラク戦争やシリア内戦、暴力、貧困といった言葉が思い浮かぶかもしれない。
シリア出身の写真家であるセルベスト・サリー氏は、上記3か国で育ち心の傷を抱える子どもを対象とした、8週間の移動する写真教室「Sirkhane DARKROOM」を開催している。
戦争や暴力を目の当たりにするなど、厳しい環境下で過ごした子どもたちが、写真を撮って伸び伸びと自己表現できる場だ。
サリー氏は、シリアの戦争を逃れてトルコに来た難民だ。シリア内戦が始まった頃の2012年、戦争に振り回される人々をカメラに収め続けたことがきっかけで、カメラへの愛着が育まれたという。その後、2018年にSirkhane DARKROOMを始動。教室に参加する子どものなかには、サリー氏と同じように難民となった人もいる。
背景には複雑な事情がありつつも、写真教室は政治、イデオロギー、宗教にとらわれずに行う方針だ。
子どもたちは純粋な創造性を発揮し、豊かな子ども時代を謳歌している。さまざまな事情により、精神的に早く大人にならざるを得なかった人にとっては、貴重な時間だ。
意外かもしれないが、子どもたちが撮る写真には、光や希望、幸福感が現れているという。心のケアにとどまらず、彼らの秘めた能力を引き出す場としても期待できそうだ。
【参照サイト】support-sirkhane-darkroom — her yerde sanat derneği
【参照サイト】Sirkhane DARKROOM(@sirkhanedarkroom) • Instagram写真と動画
【参照サイト】Sirkhane DARKROOM (@sirkhandarkroom) / Twitter
【参照サイト】Sirkhane DARKROOM | Mardin
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