サーキュラーエコノミー(循環経済)を推進させていく──そんな言葉からどのような取り組みを想像するでしょうか。日々深刻化する気候危機に対して、企業や自治体、団体などによって各地ではさまざまな取り組みが行われています。
そんな今、循環経済を推し進める一つとして生まれているのが、地域のハブとなる「拠点」です。新型コロナの影響でオンラインでのコミュニケーションが増え、遠くにいる人ともつながれるようになりました。一方で、直接人やモノに触れ、その場の空気を感じることができるリアルな場所では、五感を通して人と人、人とモノ、そして人と地域がつながることができます。また、そうした身体性を持った経験は、私たちが地球や社会を本質的に捉えるためのカギを握っています。
大量生産・大量消費・大量廃棄──従来の直線型の経済システムから循環型の経済への移行が急がれる昨今ですが、いきなり大きな循環の輪を生み出すことは簡単ではありません。しかし、たとえ小さくても色々な場所で小さな循環が生まれて広がっていけば、大きな輪になります。つながりを生み、感覚を通して循環に触れられる地域の拠点こそが、今、より多くの人々を巻き込みながら、サーキュラーエコノミーを推し進めていくために欠かせないように思われるのです。
今回IDEAS FOR GOODは、香川、富山、愛知の3つの地域で循環を促す場づくりを行う実践者をお迎えし、トークイベントを開催します。
お呼びするのは、香川県庵治で循環をテーマにしたライフスタイルストア「AJI CIRCULAR PARK」を運営する中貴史(なか・たかし)さん、富山県富山市で家具の循環を中心に資源循環を体感できる「トトン」を運営する増山武(ますやま・たけし)さん。それから、愛知県名古屋市でアップサイクルコミュニティ「上回転研究所」を運営する藤田恭兵(ふじた・きょうへい)さんです。
地域資源や廃材を活かしたものづくりやDIYができたり、地産地消の食事ができたり、コワーキングができたりと、それぞれ違う形で、多種多様な人々が楽しめる空間づくりを行う3人に、どのような場づくりを目指しているのか、そのうえで直面する困難やジレンマなど、日々の拠点運営のなかで感じているさまざまな想いをお伺いします。
循環型の拠点づくりに興味がある人の参考になるお話を聴くことができるほか、実践者と参加者がつながれる機会になればと思っています。ご関心がある方は、是非ご参加ください。
イベント概要
※寄付付きチケットの収益は、今後のハーチ株式会社の運営費用に充てさせていただきます。
当日の流れ
18:50 Zoomオープン
19:00 はじめに
19:10 自己紹介
19:15 それぞれの拠点の取り組み紹介
20:00 トークセッション(テーマ:「地域の拠点が秘める可能性とは?」「リアルな拠点を通して目指す社会/未来とは?」「日々の拠点運営のなかで感じる難しさは?」など……)
20:40 参加者から質問タイム
20:55 まとめ
※当日の状況により、内容の変更、時間が前後する可能性がございます。
こんな方におすすめ
登壇者
中 貴史 氏(中商事株式会社/ AJI CIRCULAR PARK)
1980年生まれ。香川県高松市出身。今年で創業100年を迎える、繊維商社の3代目社長。大阪の繊維商社に勤めた後に入社。10年前に父親から代表権を引き継ぎ、会社の再建と新たな事業展開を模索する中、地方におけるサーキュラーエコノミーの拠点となる「AJI CIRCULAR PARK」を昨年11月にオープン。日本のモノづくりを残す取り組みも行っており、国産の自社ブランドも拡大中。
増山 武 氏(株式会社米三/ トトン)
富山県富山市生まれ。大学、大学院では建築を専攻。卒業後、南カルフォルニア建築大学大学院にてデジタルデザインを中心とした理論と技術を学ぶ。TOM WISNCONBE ARCHITECTUREを経て、家業である創業174年の家具店、株式会社米三に就職。設計事務所dot studioを共同設立。新規事業担当として、デジタルマーケティングやEC事業の立ち上げの他、県産材のオリジナル家具ブランドの開発など事業を推進している。
藤田 恭兵 氏(株式会社On-co/ 上回転研究所)
1992年生まれ。愛知県大口町出身。モラトリアム原体験から、大学時代に新社会人向けの教育コンテンツとコミュニティの運営会社を設立。インターン開発を進める中、集まれる場の必要性を感じ、2015年に空き家を活用したシェアハウスを立ち上げ。その後2019年にOn-coを設立。テーマに沿って、クリエイターやアーティスト、若手起業家を中心としたコミュニティを創り温め、新たな価値を付加してプロジェクト化することを得意とする。これまでさかさま不動産・ソイソースマンション・madanasaso・上回転研究所などを立ち上げてきた。コミュニティを混ぜ合わせて発展させることが未来をつくると信じている。
モデレーター
伊藤 智子(ハーチ株式会社/ IDEAS FOR GOOD編集部)
IDEAS FOR GOODでの取材のほか、横浜市内のサーキュラーエコノミーを加速させるためのプラットフォーム「Circular Yokohama」でのコミュニティ運営にも携わる。学部時代の1年間をフランスで過ごした経験から移民難民との共生に関心を持ち、卒業後はイギリスで開発人類学を専攻。帰国後、より多様な人たちを巻き込みながらポジティブに社会課題を解決したいと、ハーチ株式会社に入社。関心キーワードは、食、伝統文化、発酵、地域循環。
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