Airbnb、原点に返る。「誰かの家に安く泊まる」に特化した機能をリリース

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近年、Airbnbで人気の宿泊先といえば、もっぱら変わった宿だ。以前IDEAS FOR GOODで紹介した、100万匹以上のミツバチと過ごせる宿泊先「Air Bee & Bee」や、象と泊まれる「Chai Lai Orchid」のように、かなりユニークな宿泊先が次々と出てきている。

そんななか、Airbnbは2023年5月3日、「誰かの家の一部屋に泊まる方法を提供する」というサービスの原点に立ち返るシステム「Airbnbゲストルーム」を導入すると発表した。それに伴い、Airbnbのウェブサイトに「ゲストルーム」というカテゴリが新しく追加されているほか、今回は50項目を超える新機能とアップグレードを導入するという。

Image via Airbnb

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ゲストルームの一番の利点は、ゲストが手頃な料金で宿泊しやすいこと。もちろん、宿泊先によって料金はさまざまだが、「大邸宅・屋敷」「城」「ボート・船舶」といった豪華なカテゴリがあるなか、ゲストルームのカテゴリに掲載されている宿泊先からは、比較的リーズナブルな印象を受ける。

日本では新型コロナの落ち着きもあり、2022年は前年対比で個室の宿泊日数が約70%も増加したという(※1)。しかし現在は、どこに泊まるにも価格が高騰しており、旅行のしづらさを感じている人もいるだろう。そんななかで、このサービスは価格面で助かると言える。

また、旅行先に住む人々の「普通の家」に泊まることで、新たな出会いを生み、地元の人のように街を体験できるという利点もある。

同社のCEOであるブライアン・チェスキー氏は、ニュースリリースで、「すべてのはじまりであるアイデア、つまり『シェアリング』というAirbnbの創業精神に立ち返ったもの、それが『Airbnbゲストルーム』です」と話している。2007年にAirbnbが誕生してから、すでに約15年が経ったうえでの原点回帰だ。企業としては、大胆なブランディングであり、人々に望まれていたものだと感じられる。

こだわり満載の豪華な宿泊先でなくても、部屋を貸してくれる人とのつながりを感じられる。そんな、民泊の素朴な良さに、改めて気づかされるのではないだろうか。

※1 Airbnb 2023夏季アップグレードハイライト
【参照サイト】Airbnb、2023夏季アップグレードを発表。Airbnbの原点をリニューアルした「Airbnbゲストルーム」をご紹介
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