インドで導入された、3分の1の議席を女性に割り当てる「女性クオータ制」とは?

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あなたの暮らす地域で、女性の声はどのくらい政治に反映されているだろうか。今年、「世界経済フォーラム」が発表したジェンダーギャップ指数によれば、日本の順位は146か国中125位。政治と経済の分野で性の不平等があるとされている。

特に政治面は、世界でも最低クラスの138位。女性衆議院議員は1割程度しかおらず(女性参議院議員は28%)、女性首相は過去に一人もいないことなどがその理由だ(※)

世界でも、女性の政治進出は共通の課題である。そんな中、日本と同じく、女性の社会進出が低いランクのインド(ジェンダーギャップ指数は127位)が、思い切った改革に出た。インド下院が、その3分の1の議席を女性に割り当てるという、「女性クオータ制」の歴史的法案を可決したのだ。

インドは、人口14億人、有権者9億5千万人と、世界最大規模の民主主義国家を自称している。だが女性国会議員は13%に過ぎず、改革の必要性が叫ばれていた。1996年以来、女性クオータ制法案が提出されてきたが、過去6回にわたって廃案になるなど失敗に終わってきた。そうした紆余曲折を経て、ついにその努力が実を結んだのだ。

実は、すでにインドでは、地方議会レベルで女性クオータ制が実施されてきたという実績があった。村議会では、各議会議長の3分の1を無作為に女性に割り当て、さらに、議席の3分の1を、女性だけが立候補できる選挙区として無作為に割り当てる方式を導入した。これによって、女性議員の比率は5%未満から40%台に増大したのだ。

インドでは、女性議員が増えることによって、公衆衛生や食料安全保障といった政策が取り入れられたり、女性のキャリア意識に変化が起きたりするなど、様々な変化がみられているという。今回の国会改革によっても、そうしたさらなる好影響が期待されている。

この女性クォーター制で成果を上げている国にフランスがある。同国は、女性クオータ制にここ数十年取り組み、女性議員比率を大きく伸ばしている。2000年には、政党に男女同数の候補者を擁立させる「パリテ法」を導入。30年前は、女性議員比率が6%程度しかなかったが、今では40%近くにまで増加したのだ。

他にもフランスの県議会レベルで採用しているのが、「男女ペア方式」だ。選挙区で男女1組が立候補し、有権者は1組の候補者に投票する。選挙ポスターも男女ペアで1枚のポスターだ。「男女ペア方式」で、全国の県議は一気に男女半々になった。

このように、世界では女性の政治進出を助ける様々なアイデアが実施に移されている。日本では、育児家事と議員生活の両立の困難さやハラスメントの横行など、女性議員の少ない理由が様々に指摘されている。女性に覆いかぶさる社会のあり方を吹き飛ばすためにも、女性の政治参加は不可欠だ。男女問わず、みんなが参加することこそが、民主主義の根幹なのだから。

※ Global Gender Gap Report 2023 
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【参照サイト】A historic bill passes: One-third of Indian Parliament seats to be reserved for women
【参照サイト】アングル:インドで女性国会議員増やす法案可決、弱者配慮の政策に期待
【参照サイト】【世界選挙紀行】フランス① 世界初!男女ペアで立候補!驚きの背景
【参照サイト】女性クオータ制で何が変わる? インド地方議会の事例からわかること
【参照サイト】面倒な国民が政治を変える?議員の「男女平等」を実現するヒントを専門家に聞いた

Edited by Erika Tomiyama

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