日当たりの良い場所を探せるアプリで心も体も健康に?グッドニュース3選【2025年5月前半】

Browse By

社会をもっとよくする世界のアイデアマガジン、IDEAS FOR GOODの編集部が選ぶ、今月の「ちょっと心が明るくなる世界のグッドニュース」。前回の記事では、イルカの言葉を翻訳できるAIや75歳以上のばあちゃんだけが働く喫茶店「ばあちゃん喫茶」などを紹介した。

日々飛び交う悲しいニュースや、不安になる情報、ネガティブな感情ばかりを生む議論に疲れたあなたに。世界では同じくらい良いこともたくさん起こっているという事実に少しのあいだ心を癒し、また明日から動き出そうと思える活力になれば幸いだ。

愛に溢れた世界のグッドニュース3選

01. ヨーロッパ発、太陽の恩恵を最大限に活用するアプリ「SunSeekr」

日光にはビタミンDの生成を促進し、免疫機能を強化するなどの健康効果があるとされている。しかし、ヨーロッパの都市では、特に冬季に日照時間が短くなる傾向があり、「日光を浴びたい」と切実に願う人々も少なくない。

そんななかで登場したのが、現在日差しが当たっているカフェやレストランを地図上で表示するアプリ「SunSeekr」だ。ロンドン、ニューヨーク、アムステルダム、ベルリンなどの都市で利用されている本アプリは、太陽の位置、地形データ、影の動きなどをリアルタイムでシミュレーション。ユーザーが日光の当たる場所を簡単に見つけ、健康的で快適な時間を過ごす手伝いをしてくれる。また、暑い地域向けに「日陰モード」も搭載されている。

まさに太陽を味方につけるこのツールは、人々の生活に心地よさや健やかさをもたらしてくれるだろう。

【参照サイト】SunSeekr
【参照サイト】SunSeekr Instagram

02. 新郎新婦の門出を祝う、廃棄米の“やさしい”ライスシャワー

結婚式で新郎新婦に向けて米を撒く「ライスシャワー」。これは、子孫繁栄や幸運を願うための西洋の習慣で「実り多き未来になりますように」という祈りを込めて行われる伝統のひとつである。しかし、もしそれが食卓に並ぶはずだった米を無駄にしているとしたら?

ギリシャでは年間5万件以上の結婚式で米が使われ、貴重な食用米が大量に廃棄されてきた。この食品ロスを防ぐため、McCann Worldgroup Greeceが農家団体やWikifarmerとともに開発したのが、食用に適さない米をライスシャワー専用に再利用する「The Wedding Rice」だ。この取り組みは、食料資源を有効に活用できるだけではなく、農家の新たな収入源にもなる。

私たちが当たり前に受け入れてきた文化を、持続可能な形で残していくにはどうすれば良いのか──伝統を守りつつ廃棄を防ぐこの仕組みは、そんな問いを私たちに投げかけている。

【参照サイト】the wedding rice

03. かつての「汚染の街」が世界で3つ目の国立公園都市に

かつて「全米で最も空気が汚れた街」と呼ばれたアメリカ・テネシー州のチャタヌーガ。1960年代、工業都市として栄えていたこの街では、スモッグの影響で、昼に車を走らせる際にもヘッドライトが必要なほどだったという。こうした状況を受け、チャタヌーガでは行政と市民、産業界が協力して環境の改善に取り組み続けてきた。自然や文化、地域の魅力を「かけがえのない資源」として地域ぐるみで守り育てていく、住民主体の都市づくりを行ったのだ。

そんな努力の末、2025年4月、チャタヌーガは「北米初の国立公園都市」に認定された。都市そのものを公園に見立てるこの称号は、街をより緑豊かで、より自然豊かで、より繋がりがあり、より健康的なものにすることを目指すムーブメントの一環だ。これはロンドンの財団が提唱するもので、チャタヌーガはロンドンとアデレードに続く3都市目の認証となる。

かつての「汚染の象徴」が、いまでは人と自然が交わりあう街へと生まれ変わった。チャタヌーガの歩みは、豊かな都市づくりを目指す世界中の都市に新たな可能性を示したと言えるだろう。

チャタヌーガの景観

Image via Shutterstock

【参照サイト】Chattanooga becomes the first National Park City in North America
【参照サイト】Chattanooga National Park City

ちょっと心が明るくなる世界のグッドニュースに関連する記事の一覧

FacebookX