食品寿命を伸ばす?タマネギの皮から生まれた代替プラパッケージ

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サラダに、ハンバーグに、炒め物に、カレー……食卓に引っ張りだこの食材「タマネギ」。世界中で栽培され、食されているポピュラーな食材だからこそ、皮や根などの廃棄も相当な量になる。タマネギの廃棄物は、英国国内だけで1年間に66,000トンも発生。また、その処理にかかる費用も高額で、同国では、年間2,300万英ポンドの処理費用がかかっているという(※)

テキスタイルデザイナーのRenuka Ramanujamは、そんなタマネギの皮を有効活用し、プラスチックパッケージの代替品を開発した。オランダ語で「タマネギの皮」を意味する「HUID」と名付けられたこちらの素材は、タマネギの皮を煮て、乳製品の廃棄物に由来する接着剤で結合させることでできあがる。強度があり防水性に優れているのが特徴だ。

Ramanujamは、MARCKETPLACE「タマネギの皮は、食品の鮮度を保つのに役立つ抗菌成分や抗酸化物質を含んでいます。このことは、スーパーマーケットの食材の賞味期限を延ばし、食品廃棄物を減らすことに役立つでしょう。パッケージングにとって、これは絶対に大きな意味を持つのです」と語っている。

HUID

HUID

また、Ramanujamは、HUIDを中心に、ローカルのクローズドループエコシステムを構築することを目指している。

タマネギを収穫し、皮をむき、中身を美味しく食べる。廃棄物からパッケージをつくり、使ったら堆肥化する。そしてその堆肥でタマネギが育ち、また収穫して皮をむく……。そんな循環を作り、HUIDの生産に伴う副産物は、織物の染料や栄養野菜ストックのベースとして地域で再利用するのである。

HUIDはまだ研究開発の段階にあるが、Ramanujamは年内にプロトタイプを完成させたい考えだという。捨てられるはずだったタマネギの皮に価値を与え、地域の循環を生み出すプロジェクトの今後に期待である。

※ HUID

【参照サイト】HUID
【参照サイト】Seaweed and onion skins: British companies look to natural products to replace plastic
【参照サイト】HUID(WHAT DESIGN CAN DO)

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