トヨタが若者のために作った、安全運転をしたほうが「カッコよく」見られるアプリ

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最近は高齢者ドライバーによる交通事故が問題視されているが、実は事故を起こす割合が最も高いのは10代〜20代の若いドライバーであることが分かっている。仲間や恋人にいいところを見せようとしてついスピードを出しすぎてしまったり、スマートフォンをいじっているうちに運転が疎かになったりすることで起こる事故も決して少なくない。

このような若いドライバーの無謀な運転を防ぐべく、自動車メーカーのトヨタは「かっこいいドライバーと見られたい」という若者ならではの自意識を逆手に取った、非常にユニークなアプリを制作した。それは、若いドライバーが運転中にスマートフォンを触ったりスピードを出しすぎたりすると、彼らの両親がセレクトしたSportifyの音楽プレイリストが自動的に車内に流れるというものだ。

Safe and Sound」と呼ばれるこのアプリは、Google Maps APIの技術を用いてドライバーがスピードを上げるタイミングを判断しており、ドライバーが安全なスピードまで落とすか、スマートフォンを触るのをやめるまで両親の選んだプレイリストは流れ続ける。彼らは自分たちの好きな音楽を聴きながらドライブをするためには、安全運転を心がけるしかないのだ。

また、時速9マイル以上のスピードで運転している場合はソーシャルメディアの投稿を表示したり着信に応答したりすることもできなくなっている。現在このアプリはAndroid搭載端末でのみ利用できる。

若者が恋人や友人との楽しいドライブ中、いいところを見せようと調子に乗って危険な運転をしていると、逆に両親が選んだ時代遅れのクールではない音楽が流れてしまう。この気まずさや気恥ずかしさが、無謀な運転を防ぐ抑止力となる。動画に出てくる”There is nothing teenagers fear more than being seen as uncool(10代にとって、ださいと思われるより怖いことはない)”というコピーの通り、彼らの気持ちを上手くとらえたアイデアだ。

また、両親が好きな音楽が流れれば、彼らの頭の中には気恥ずかしさと同時に両親の顔もパッと浮かぶかもしれない。彼らの安全を誰よりも願っている人のことを思い出させることで、より一層安全運転への意識を高めることに役立つだろう。

自動車メーカーのトヨタにとって、このアプリを通じて若いドライバーへ安全運転を啓蒙することは、CSRキャンペーンの一環でもある。アプリを使うかどうかに関わらず、トヨタが発信するメッセージが若いドライバーに広く浸透することで、無謀な運転による不幸な事故が少しでも減ることを期待したい。

【参照サイト】Toyota Safe & Sound app Safety for young drivers, music to parents’ ears
【参照サイト】警察庁 交通事故統計