都市を丸ごと森にする。大気汚染に悩む中国が考えたForest City

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世界で都市化が進んでいる。国連のレポートによると、2014年の世界の都市人口は39億人で、2050年にはさらに25億人増加するという。増加する25億人を国別で見ると、最も増加人数が多いのはインドで4億400万人、そして次が中国で2億9200 万人だ。中国では毎年1400万人が農村から都市に移住している。

急速な都市化が引き起こす問題のひとつに大気汚染がある。中国の大気汚染問題を解決し、なおかつ急増する人口に対応できる持続可能な未来都市を作ろうと建築家のStefano Boeriが考え出したのが、都市を丸ごと森にしてしまうという「Forest City」だ。

Forest Cityには数百もの高層ビルが立ち並び、それが人々の住居となるわけだが、すべてのビルは木やその他の植物で覆われる。そのイメージ図は圧巻だ。大量の植物が空気中の二酸化炭素を吸収し、酸素をどんどんはき出すことで大気汚染の問題を解決しようという、とても大胆なプランだ。

都市を丸ごと森にする計画

Image via FOREST CITY

Forest Cityはまず、広西チワン族自治区の南に位置する柳州市に導入される。今年の後半には建築に着手し始め、2020年には中国初のForest Cityが完成すると予想している。その次に、中国で最も大気汚染が深刻な都市のひとつである河北省の石家荘市に導入される見通しだ。

文字通り自然との共生を実現するForest Cityは、環境問題への取り組み方に刺激を与えるアイディアだと思う。失われつつある緑を守ろう、ではなく、新しい植林都市をまるごと作ってしまおうという発想に中国ならではの勢いを感じる。

【参照サイト】FOREST CITY
(※画像提供:FOREST CITY

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