世界初となるロボット弁護士、チャットボットで法律相談

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世の中のあらゆることは法律、制度、契約といったものを根底に回っていることに気が付いたのは社会人になってしばらく経ってからのことだ。知らないといけないことが多いと思いつつ、法律はやはり面倒で気が重くなる。いい方法はないだろうか。

イギリスの大学生、Joshua Browderが開発したチャットボットDoNotPayは、無料で法律相談に乗ってくれるロボット弁護士だ。弁護士に代わってボットがサービス利用者の状況を質問し、どのような行動を取ればいいか教えてくれる。

例えば有名な事例として、DoNotPayはイギリスとアメリカで累計17万件の駐車違反の異議申し立てを成立させた。それだけ多くの不当な判断があったというのも驚きだし、そもそも駐車違反の異議申し立てができるというのもそれほど一般的な知識ではないと思う。自分が持つ権利を理解しておくのはいいことだ。

DoNotPayはホームレス支援にも取り組む。住む場所を失った人々が各種行政サービスにアクセスできるよう、条件を満たしているかどうかの判断をしたり、書類の記入をサポートしてくれたりする。ボットが尋ねる質問は「あなたはここに住む法的な権利を有していますか」などひとつひとつ短くてシンプルなため、誰でも使いやすい。

興味深いことにこのサービスの開始後、イギリスのあらゆる地方市役所がDoNotPayに登録してシステムを試しているという。説明が複雑でわかりにくい、非効率的、不親切、といった不満を込めて「お役所仕事」という言葉が日本でもよく使われるが、当の役所もこういった革新的なサービスから参考にできる部分があると考えているのかもしれない。

国民全員に関係する行政サービスならなおのこと、わかりやすくてシンプルなシステムを目指すべきだ。DoNotPayはその動きを促進してくれるに違いない。

【参照サイト】DoNotPay

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