便利さを手放すと、豊かさが手に入る。通話だけの電話 The Light Phone

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地図検索、画像加工、SNSなど、スマートフォン一つで多くのことができるようになった。もはや最低限の機能を持つ機種を探すほうが困難なほどだ。多機能な電話はたしかに私たちの生活を便利にしたが、使い勝手が良すぎるあまりにそれに依存してしまったり、常にネットワークの中にいることに窮屈さを感じたりすることもある。ときには「便利さ」を手放すのも良いのではないだろうか。

多機能ではなく、ひとつの機能を追求した携帯電話を作ろうと考えたデザイン会社のLightは、通話に特化した電話 The Light Phone を開発した。クレジットカードサイズのこの電話は、インターネット接続はおろかメールを送ることすらできない。最小限の機能に集中して便利さを手放す代わりに、私たちの生活をより身軽(Light)なものにしようというコンセプトで開発された。

The Light Phone は単体でも使用できるが、開発者はあくまでも「2台目の電話」という使い方を提唱している。そのため、メインで使っている電話と同じ電話番号を使え、そこにかかってきた電話を転送することもできるようになっている。Lightの目的は、スマホの高度なテクノロジーを否定することではない。出かける場所に応じて靴を変えるように、状況に応じて電話を持ち変えることで、私たちの時間、ひいては人間らしさを取り戻すことをねらいとしている。

ふと気が付いたらスマホをのぞき込んでいることは多いが、私たちはその画面の内容を実際のところどれほど必要としているだろうか。私たちの時間を使わせ、注意を向けさせ、ひっきりなしに流れ込んでくる雑多な情報の中毒にさせれば、それだけ得をする人たちがいる。私たちは刺激や幻想に魅了されるが、生活の中に簡素な部分を取り入れなければ見失ってしまう価値もある。

ちょっとの間スマホから離れてThe Light Phone を持ち歩いてみるといい。その不便さも含めて最小限というものを体感すると、自分が本当に手放せない情報や繋がりに気づくことができる。気づいたらいつでも取り戻せばいい。そのための2台目だ。

【参照サイト】The Light Phone
(※画像:The Light Phone Blogより引用)

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