楽しみながら省エネ。「厳しい残暑に地球を冷やす」世界のアイデア8選

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蒸し暑い日本の夏。今年は残暑の厳しさが予想されており、年々暑くなる中過ごしにくいと感じる人も多いのではないだろうか。

クールビズが普及しつつあるものの、熱中症や夜の寝苦しさを避けるためにクーラーは日常生活で欠かせない。また、一斉休暇の時期でもあるため、帰省や旅行などで自動車の使用量や飛行機や船の便数が増える。環境への負荷も大きいはずだ。地球温暖化が夏の最高気温に影響していると言われるが、季節柄、環境に良い取り組みを行うのはなかなか難しいように見える。

そこで、今回はこれまでにIDEAS FOR GOODで取り上げてきた環境問題に取り組むプロジェクトを振り返り、夏だからこそ参考にしたい、地球を冷やす世界のアイデア8選をご紹介したい。

食べ物・飲み物編

まずは、暑い夏についつい手が伸びてしまう、食べ物・飲み物の事例からご紹介しよう。

01. 製造過程で生じる二酸化炭素量を抑えたビールで一杯

ビールの旨さはそのまま。世界最大ブルワリーがエコな泡を製造へ

ビール大国ベルギーに本社を置くアンハイザー・ブッシュ・インベブ(AB in Bev)は、ビールの製造過程で発生する二酸化炭素量を抑える新しい醸造方法を生み出した。

バドワイザーやコロナなどの有名銘柄を展開するこの世界最大のメーカーが、世界各地の蒸留所で新しい醸造方法を採用すると、従来に比べて1年間で5%もの二酸化炭素排出量を抑えることができるという。地球の温度を上げずにビールで喉を潤すことができる、画期的な方法だ。

02. Ben & Jerry’sのアイスをカーボンオフセットして支払い

アイスクリームを食べて地球を冷やす。ブロックチェーンを使ったカーボンオフセット

大人も子どもも大好きなアイスクリーム。しかし、その製造過程では大量の二酸化炭素が排出されている。水色のパッケージで有名なアメリカのメーカー、ベン&ジェリーズ(Ben & Jerry’s)は、ブロックチェーンを使って二酸化炭素の排出削減に貢献するカーボンオフセットを導入した。

ブロックチェーン技術により、従来よりも手数料を抑え、取引の透明性を高めることができる他、個人の少額取引にもリーチしやすくなったという。アイスクリームを楽しみながら、個人も二酸化炭素排出削減に参加しやすくなる、二度美味しい取り組みだ。

03. 空気中のCO2からつくる炭酸水で、身近にできるリサイクル

スイスのコカ・コーラ子会社が開発!空気中のCO2でつくる炭酸水

炭酸水に気泡を発生させるため、飲料業界は二酸化炭素を排出している有数の業界であることをご存知だろうか。

そこで世界的飲料メーカーのコカ・コーラのスイス子会社が開発したのが、空気中の二酸化炭素を使った世界初の炭酸水。炭酸飲料を製造する際、気泡を生成するために二酸化炭素が必要となる。この過程で、空気中から「リサイクル」された二酸化炭素を注入することで、二酸化炭素のトータル排出量を減らすことができる業界初の取り組みだ。

ファッション編

旅先ではショッピングが楽しみ、という方も多いのではないだろうか。大手ファッションブランドから、環境に配慮したアイテムが次々と発表されており、注目したい。

04. CO2削減に貢献。海洋プラスチックで作られたプラダのバッグコレクション「Re-Nylon」

プラダ、海洋プラスチックから持続可能なバッグコレクションを作る「Re-Nylon」プロジェクト発表

イタリアの高級ブランド、プラダは、サステナブルなバッグコレクションを作るプロジェクト「Re-Nylon」を発表した。世界各国の埋立地や海から回収されたプラスチック、漁業網、織物繊維などのゴミをリサイクルした再生ナイロン糸を使うことで、製造工程で1,120万リットルの石油を節約でき、CO2排出量も5万7100トン削減につなげるという。

05. 使用後の「燃えるゴミ」からさようなら。アディダスの新シューズ「FUTURECRAFT.LOOP」

靴底から紐まで。丸ごとリサイクル可能なアディダスの新シューズ「FUTURECRAFT.LOOP」

アメリカのスポーツブランド、アディダスは、使用後に素材を100%リサイクルできるランニングシューズ「フューチャークラフト ループ(FUTURECRAFT.LOOP)」を発表した。履き終わったシューズをアディダスに戻すと、ボトルやバッグといった簡単なものだけでなく、高機能のランニングシューズに再利用できるため、廃棄物を生まないという。2021年春夏に一般販売される予定だ。

旅先編

最後に、旅先で出会うかもしれない各地の取り組みをご紹介したい。

06. ノルウェー発、漁業ゴミで走るクルーズの旅

漁業ゴミで燃料をつくる。ノルウェーの海運会社が仕掛けるエコなクルーズの旅

日本でも徐々に人気を集めつつあるクルーズ旅行。ヨーロッパでは、夏季休暇中の選択肢としてカップル、ファミリー、シニア層と幅広い人気を誇っている。一方で、大きなグルーズ船1隻が1日に排出する温室効果ガスは、100万台の車分に相当するという。

この現状を変えるべく、ノルウェーのフッティルーテン社(Hurtigruten)が、2021年までに漁業ゴミや魚のアラなどを使ったバイオガスを用いたクルーズ船を運行することを発表した。環境に優しいクルーズ船で、美しい自然を眺めながら船旅をする日も、そう遠くない。

07. EVやハイブリットカーを選べる「グリーンモード」でライドシェア

米国発ライドシェアサービスLyft、EVやハイブリットカーを選べる「グリーンモード」を導入

アメリカでUberと並ぶ大手ライドシェアサービス、リフト(Lyft)が、配車の際に電気自動車またはハイブリッドカーを呼び出すことができる「グリーンモード」を導入することを発表した。

環境に配慮する自治体やユーザーにとって、二酸化炭素排出量の多い自動車に比べ、公共交通機関の方が環境に優しい選択肢であった。しかしグリーンモードの登場により、「車を持ち運転できる人」と「車に乗って移動したい人」を、環境という観点から繋ぐ新しい選択肢になりそうだ。

08. プラごみの環境負荷を減らす。リユース食器を持って日本の祭を楽しむ

京都から日本の祭りに「ごみゼロ」を。50万人が参加する祇園祭でリユース食器を導入

日本の夏といえば夏祭り。日本三大祭りの一つである祇園祭では、毎年膨大に発生するゴミに対処すべく、2014年からリユース食器を導入している。参加者50万人以上の大規模の祭りに、リユース食器が採用されたのは祇園祭が初めてである。

ボランティアの方々の活躍もあり、参加者に祭りを楽しんでもらいながら、リユース食器を通して環境問題に意識を向けてもらうきっかけとなっている。

まとめ

地球温暖化のための省エネ活動は、ともすれば「我慢との戦い」とも受け止められがちだ。しかし、ビールやアイスなど日常的に消費するものや、休暇中の買い物や旅行先など、我慢をせずに楽しみながら取り組める選択肢が増えてきている。ぜひあなたも、身近なところから始めてみてはいかがだろうか。