中国の大気汚染に立ち向かう。空気を清浄する自転車のシェアリングサービス

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世界最大規模の自転車シェアを誇る中国。人々が豊かになるにつれて庶民の足は風物詩だった自転車から車にシフトしつつあるが、慢性的な交通渋滞や大気汚染は深刻で、スモッグで前がまともに見えないこともしばしばだ。

中国の大連でこのほど開催された世界経済フォーラムで、自転車と環境に関する画期的な発表があった。オランダのエコイノベーターと中国の企業が提携し、自転車を軸に大気汚染を改善しようというものだ。自転車が排ガスを出さずに環境に良いのは周知の事実だが、さらにその上を行き、走行時によどんだ空気を浄化するというのだ。

きれいな空気を出す自転車のシェアリング

オランダのエコイノベーターでデザイナーのDaan Roosegaardeは、考案したスモッグフリー自転車を多くの消費者が利用できるように、2000万人のユーザーを抱える中国のバイクシェアリング大手Ofo、そして中国の設計プラットフォーム大手のTEZIGNと提携し、大気汚染と戦い、未来の世代のために健全な環境をつくる。

Roosegaardeの待望のスモッグフリー自転車は、汚れた空気を吸い込み浄化し、きれいな空気をリリースし、1時間当たり3万立方メートルの空気を浄化する能力を有しているという。近い将来に多数の人がサイクリングをすることで、空気をきれいにすることができるようになる。

この自転車は、街で交通渋滞や公害問題を解決すべく、健康とエネルギーに優しいソリューションを提供するRoosegaardeのスモッグフリータワーと同様の機能を有する。スモッグフリー自転車も、街をきれいな空気で満たすというRoosegaardeの大きなビジョンの1つだ。同プロジェクトは現在、中国とオランダで開発が進められており、さらなる詳細については今後数ヶ月の間に明かされる予定だ。

国土も人口も規模が大きく、中国での公害や交通渋滞を削減するための道のりは長いが、スモッグフリー自転車が直面する問題に新風を吹き込む期待は大きい。Roosegaardeは、「北京は、かつて象徴的な自転車の街でした。私たちはスモッグフリーの都市に向けた次なるステップとして、中国文化のアイコンである自転車に回帰したい。」とコメント。

日本でも中国の爆買いはお馴染みだが、いくら裕福で大枚を積むことができたとしても、きれいな空気はそう簡単に手に入らない。社会全体としての取り組みが重要だ。考案者Roosegaardeの母国オランダは坂道が少なく、中国同様に自転車の利用が盛んだ。自動車から自転車へと移行するだけでもエコフレンドリーだが、さらにその自転車を使って大気を浄化するというのは、自転車で世界の自転車先進国オランダと中国の共同プロジェクトならではの大気汚染解決法といえる。

【参照リリース】ROOSEGAARDE TO DEVELOP SOMG FREE BICYCLE WITH OFO, THE LARGEST BIKE SHARING PROGRAMME IN CHINA AND TEIZIGN

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