積極的にCSRに取り組んでいることで知られる米国の格安航空会社、ジェットブルー航空が、11月からユニークなキャンペーンを開始している。ジェットブルーが始めたのは、ボランティア活動に参加するための航空券が無料で当たるコンテスト「#CheckInForGood」だ。
コンテストへのエントリーは社会貢献活動に関する数問のアンケートに答えるだけの簡単なもので、当選者はジェットブルーが提携するNPOが行う青少年、教育、コミュニティ、環境といった分野の社会貢献活動に参加するための航空券が無料でプレゼントされる。ジェットブルーはニューヨークとロサンゼルスのキオスクでコンテストへのエントリーを呼び掛けているほか、オンラインでもエントリー手続きが可能だ。
ジェットブルーのCSRディレクターを務めるIcema Gibbs氏は「ジェットブルーと同様に、お客様も優しさと人道的な価値を大切にしている。#CheckInForGoodは、ひとりひとりが善い行いをすることで違いを生み出すことができるという弊社の信念を強化するのにうってつけの取り組みだ」と語る。
ボランティア活動の内容はとてもユニークだ。例えば、ハリケーン被害に遭ったヒューストンで出版社のSimon&Schuster Children’s Publishingと協力し、児童に本を無料で配布するなどのプロジェクトがある。
また、カリブ海の8つの島で学校や施設の支援活動に参加し住民の生活を改善するプログラムでは、The Eltham Community Centreがジャマイカのオーチョ・リオス周辺の住民に対してレクリエーションやワークショップを行う。
他には、世界最大規模のサンゴ礁のあるバハマでAtlantis Blue Project Foundationの海洋生態学者であるCraig Dahlgren博士が率いるプログラムに参加し、海岸地域の生態系を保護し、イルカ等の海洋生物の生息域や食料を確保するといったものもある。このツアーではボランティア参加者はパラダイス島で進行中のサンゴ育成を支援する。
このような話を聞いていると、何だかワクワクしてくる。社会貢献になると同時に観光ツアーのようでもあり、参加者にとっては忘れられない貴重な体験になることは間違いない。そのうえ航空券も無料なのだから、なかなか海外に行けない若者にとっては特に魅力的だろう。
ジェットブルーのキャンペーンのユニークな点は、単なる寄付や慈善活動ではなく、航空チケットを無料でプレゼントするという仕組みによって顧客参加型のCSRを実現している点だ。自社のノウハウや強みを活かしつつ、ステークホルダーを巻き込みながらCSR活動を展開する同社の取り組みは、業界に関わらず参考になる点が多いのではないだろうか。
【参照サイト】#CheckInForGood
【参照サイト】Declare Your Good: JetBlue Launches #CheckInForGood Contest to Celebrate Kindness in the Air and on the Ground
(画像:Buisiness Wireより引用)